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2020.08.24
翻訳一般
日→独翻訳で機械翻訳DeepLを使用してみた結果
無料の機械翻訳Deepでは、最近日本語から多言語への翻訳が可能になりました。以前、日本語から英語への翻訳で精度を確認しましたので、今回は日本語からドイツ語への翻訳で、精度を見てみましょう。題材には、トランスユーロのブログ記事を使用しました。
DeepLの日→独翻訳 大まかな感想
日→英翻訳と同様に、ほとんどの場合、DeepLの翻訳で原文の意図していることを把握することが出来ます。しかし、同じくほとんどの場合、DeepLの翻訳が原文の意図しているように翻訳しているとはいっても、自然な訳になっているとは言い難いのです。
一般的に、DeepLで翻訳したドイツ語は英語とほぼ同じなので、以前の記事で書いた事と同じような問題が発生しました。その為、今回の記事では、ドイツ語に翻訳した場合特有の問題と、前回は見えてこなかった課題に焦点を絞ろうと思います。
DeepLは特定の人を表す「Sie」 と不特定の人を表す「man」の訳し分けができない
英語からドイツ語にDeepLを使って翻訳した場合を検証した過去の記事でも書きましたが、DeepLは、英語の「You」を敬称の「あなた(Sie)」と訳してしまう傾向があります。「You」が指しているものが特定の人ではなく、一般的な不特定の人である場合もです。この場合はむしろ「man」と訳すべきでしょう。
同じことが日→独翻訳の場合にも云え、不特定の人を表す「man」のほうが適訳と思われる場合でも、DeepLは常に、特定の人を表す「Sie」を使用します。しかし、以前問題になっていた、一つの文書のなかで、敬称の「あなた(Sie)」と一般の「君(du)」を混ぜて使ってしまう現象は起きないようです。また、オプションで敬称の「あなた(Sie)」と一般の「君(du)」を選択できるようになっていますが、オプションですので有料版でのみ選択が可能です。
似たような問題が「私(ich)」と「私たち(wir)」の使い分けでも見られます。日本語では主語が省略されることがよくあり、主語が一人称単数なのか複数なのかは文脈から推測しなければいけません。DeepLでは、一律、一人称の「私(ich)」として訳すようです。
DeepLはドイツ語の単語を女性名詞として訳してしまう
いくつかのドイツ語の名詞には男性名詞と女性名詞の区別があります。例えば、男性の通訳者は“Dolmetscher”となりますし、女性の通訳者は“Dolmetscherin”です。日本語にはそういった違いはありませんし、特別補足が無ければ「通訳者」と書かれただけでは性別を判断することはできません。
その為、DeepLはデフォルトでは女性名詞として翻訳するようです。なお、この点はDeepLのウェブサイトでクリックするだけでテキストを変更することが出来ます。
時にDeepLは一つの文章を二回翻訳する
以下のトランスユーロのブログKANDAのサンプルで分かるように、時に同じ文が二回翻訳されることがあります。翻訳は“bezieht.”のところで完了です。ところが、少し訳し方の違うバージョンが続いて現れています。なぜそうなるかは分かりませんが、経験上、括弧書きを多用した文や、種類の異なる括弧を使用した文のときに現れるようです。この問題はドイツ語に翻訳した場合だけではなく、英語に翻訳した場合でも起こるようです。
最終的なDeepLの日→独翻訳の機能評価
DeepLは日→英翻訳した場合と同様に、日→独翻訳した場合も、日本語のテキストの内容を理解する一助にはなるようですが、そのまま公開できるような翻訳ではないようです。特に、オンラインコンテンツを翻訳する場合には、ターゲット言語のネイティブの人間の翻訳者が読み手にとって自然になるような、読み手に響くような訳文を作ったほうがよさそうです。とはいえ、一番最初にDeepLでの英→独翻訳の調査をした時の問題点には、僅かであっても改善が見られていました。
もし、皆さんが人間の日→独翻訳者をお探しでしたら、トランスユーロまでお問い合わせ下さい。
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