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2020.10.05

通訳

新型コロナによる通訳業界への影響と変化


新型コロナウィルスの感染拡大によって社会全体が大きな打撃を受けている2020年ですが、通訳業界への影響も大きく、このことにより、通訳をする環境が変わりつつあります。通訳業界はどうのように変わっていくのでしょうか?そのメリットとデメリットについて説明していきたいと思います。

通訳業界への新型コロナウィルスによる影響は?

新型コロナウィルスによる通訳業界への影響は、翻訳業界と比べてかなり深刻です。デスクワーク、在宅勤務に適している翻訳作業と違い、通訳は現場に赴いて人と接する業務。さらには「喋る」という行為自身が中心的な仕事内容となるため、コロナ禍の影響を大きく受けた職種のひとつと言っても良いでしょう。それに加えて、海外からの入国制限、国際イベント、カンファレンス等の中止、さらに、今年に至ってはオリンピックの中止という全く想定外の事態が起こり、通訳者にとっても非常に辛い要素が重なってしまいました。

変化する通訳を取り巻く環境-遠隔通訳

コロナ禍の影響を受けつつも、通訳者が必要とされる場は存在するため、通訳現場も新しい変化を遂げています。マスク・フェイスシールドの使用、換気、ソーシャルディスタンスやパーテーションの使用などの基本的対策に加えて、マスク着用時の発話の聞き取りづらさを解消するため、簡易同時通訳機や集音機などを使用して、音声環境を整えることも推奨されています。(日本会議通訳者協会による「新たな通訳環境に向けた通訳者からの提案」参照)

また、遠隔同時通訳(RSI= Remote Simultaneous Interpretation)の活用も注目を集めています。これはインターネットのクラウド上で、同時通訳をプラットフォーム化する方法で、2017年後半くらいに登場した技術で、今回の事態を受けて、さらに需要が高まっているようです。またそれ以外にもインターネット回線を通じた動画・音声配信サービスであるウェブキャスト通訳、電話通訳などが存在します。

遠隔通訳のメリットとデメリット

これらのメリットはクライアントにとっては、通訳者の出張等の経費削減、同時通訳機材の経費削減が期待され、通訳者にとっても働き方がフレキシブルになり、在宅業務が可能となります。デメリットとしては、システム導入に付随する新たな機材やシステムの購入・使用者の教育・新しいことにチャレンジする精神的負担と言ったハードルを解決する必要性と、途切れないネット環境を整備し、新しいシステムを確実に使いこなす技術力が必要とされ、業界内でも手探りの状態ではあります。しかし、今後の発展には大きな期待が寄せられています。

通訳者自身においては、変わりゆく通訳業界の需要と供給を鑑みて、パラレルキャリアを持つ必要性も問われており、通訳技術の向上のみならず、導入されるシステムに対応していく柔軟性と共に、新しいマーケットと需要を見出して活動していく開拓精神もなくてはならない段階にあるのかもしれません。

参考HP

 

 

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