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2021.06.07
翻訳一般
翻訳サービスプロバイダーからより良い翻訳を引き出す4つのステップ
翻訳の品質は翻訳者のスキルに拠るところが大きいです。しかし、翻訳作業のためには、予め与えられた資料や予備情報だけが頼りです。これはどんなに優秀な翻訳者であっても同じです。
せっかく依頼した翻訳です。翻訳者にベストな翻訳をしてもらいたいと願うのは当たり前でしょう。本記事では、翻訳をお願いする場合に翻訳者からベストな仕事を引き出すにはどのような支援が可能かについてお話ししたいと思います。
1.翻訳のための参考資料をご提供ください!
翻訳案件の理解を深める助けとなるような参考資料や、すでに翻訳されている先行資料をお持ちであるのなら、できれば翻訳者にご提供くださることをお勧めします。案件に対する翻訳者の理解が深まれば、翻訳の精度は間違いなく向上します。また、翻訳者が先行翻訳からフレーズや言い回しを参照して、これから行う翻訳に反映させることもできます。
特許翻訳では多くの場合、その出願人が以前出願した特許明細書の翻訳を参考のために利用することができます。これらは私たちでも各国特許庁のデータベースから容易に入手することができます。資料が公共のルートから入手できない場合は、私たちに直接ご送付いただければ幸いです。
2.どのような翻訳スタイルをお望みか詳細をご教示ください!
翻訳について特定のご要望がある場合は、ご依頼の際にお知らせください。例えば、無効審判のような審判の場合には、特許明細書全体を通じて段落番号まで一致させる完全にシンメトリーな翻訳が必要とされることがあります。しかし、一般的な特許出願に関して云えば、違った様式が必要となるでしょう。
翻訳を必要とする目的や、満たすべき要件の有無についてお知らせいただければ、ご要望に沿った翻訳をご提供できます。また、翻訳に関して特定の文体、書式あるいはレイアウトをご希望の場合もお知らせください。私たちは原文に忠実な翻訳をご提供することができますが、もちろん、お客様のお好みや目的に応じて、より自然で親しみあるテイストに仕上げることも可能です。テキストの長さなどについてのご要望がある場合にも、ご対応可能です。
3.できれば、元となるファイルは編集可能なデータでご提供ください!
PDFのように編集できないファイルよりも、WordあるいはExelファイルのような編集可能なファイルを頂ければ有り難いです。翻訳者にとっては編集可能なファイルを使用したほうが、はるかに能率的に作業できますし、PDFを変換する際にエラーが発生するリスクもありません。ドキュメントの編集可能なバージョンが入手できるのであれば、是非ともご協力いただけると有り難いです。
4.翻訳に要する時間をご考慮ください!
ときには緊急に翻訳が必要になる場合もあります。もちろんそれは仕方のないことですが、一般に云えることは、翻訳者に与えられる時間が少なくなれば、それだけ翻訳品質に及ぼす影響も大きくなります。使用される言語や扱われる題材にもよりますが、プロの翻訳者であれば一日当たり約1,500~2,000ワードの翻訳が可能です。しかし、翻訳者や翻訳会社のキャパシティは限られており、また、たいていは他のクライアントからの依頼も抱えています。
それに加えて、一連の翻訳プロセスの中には、プロジェクトのコーディネートや、レイアウト、別の翻訳者によるダブルチェック、品質の管理、専門用語や言い回しの確認など、時間のかかる付加的なステップがまだまだあります。また、国外の翻訳者や翻訳会社と仕事をするときには、時差も考慮すべきファクタとなります。翻訳が早めに依頼されるほど、最終的な翻訳の質は向上し、その上、短納期の場合に発生する割増料金を節約することもできます。
この記事が次回の翻訳依頼のお役に立ち、弊社へのご発注へとつながれば幸いです。弊社では日本語から英語orドイツ語、または英語orドイツ語から日本語への翻訳を承っております。
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