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2021.04.26
特許翻訳
特許翻訳の3つの目的
特許明細書を翻訳するとなったとき、なぜ翻訳が必要となったのか、その理由としては主に3つの理由が考えられます。一つ目は、外国に特許出願するとき、二つ目は無効審判などの特許審判手続や侵害などの裁判手続を進めるにあたり証拠として外国特許明細書の翻訳が必要になったとき、三つ目は特許出願する前の先行技術調査や拒絶理由通知への応答のために外国特許の内容を知る必要があるときです。
1.出願時の特許翻訳
外国に特許出願する際、通常はその国の公用語の翻訳文を提出しなければいけません。ただし、英語で出願できるインドのような例外の国もあります。
日本に出願するときには、外国語出願も可能ですが、実際には出願後に外国語特許明細書の日本語翻訳文を提出しなくてはなりません。この日本への特許出願のプロセスについてはこちらの記事で詳しく書いています。
ドイツに出願するときには、選択した出願ルートによって、またはもとの特許出願の言語によって、ドイツ語への翻訳が必要でないこともあります。このドイツへの特許出願のプロセスについてはこちらの記事で詳しく書いています。
私たちが出願用の明細書を翻訳する場合は、原則的に、あとでお客様が様式変更をしなくて済むように、最初からその国の特許庁指定の様式要件に沿って翻訳をします。
2.特許審判手続や裁判手続の証拠としての特許翻訳
侵害などの裁判手続や、日本では裁判同等の準司法的手続とみなされる、特許無効審判や特許異議申立のような特許審判手続では、しばしば特許文献が証拠として提出されます。その特許文献が外国語の場合、通常は翻訳文が必要になります。裁判手続や審判手続となった場合、証拠となる特許文献の翻訳には厳格な高い精度が求められます。私たちは裁判・審判関係書類の翻訳経験も豊富ですので、要求される品質レベルを満たす翻訳をご提供できます。また、必要であれば、翻訳者による翻訳証明や公証付きの翻訳証明を準備することができます。
3.特許調査または拒絶理由通知に応答するための特許翻訳
特許出願前に先行技術を調査するために、またオフィスアクションに応答するために、外国特許明細書の翻訳が必要になることがあります。この場合、どの程度詳しくその文献の内容を知りたいかによって、翻訳の品質の重要度は変わってきます。そのため、機械翻訳の利用で十分なケースもあります。しかし、機械翻訳は100%正確ではありませんし、誤った認識を与える可能性もあります。より安全で確実な方法を選ぶなら、やはり人間の翻訳者による翻訳をお勧めします。調査や引例検討の目的であれば、明細書全文の翻訳は不要かもしれません。そのときは、私たちは特許明細書の部分翻訳も承っています。また、ダブルチェック工程を省いた参考訳用の翻訳も承っており、こちらは正規翻訳よりも安価な価格にてご提供しております。
特許翻訳が必要になった際には、お問い合わせフォームからいつでもお気軽にお問い合わせください。その際には、どういった用途の翻訳文が必要になるかお知らせいただければ、回答がスムーズになります。
特許翻訳がその他のドキュメントの翻訳とどのように異なるのか知りたい方、また、特許翻訳についての一般的な情報が必要な方はこちらの記事もご覧ください。
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