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2021.07.19
日本語
日本語についての5つのおもしろ事実
この記事では、日本語ネイティブスピーカーにとってさえ、もしかしたら初耳の『日本語についての5つのおもしろ事実』をご紹介します。
1.日本語は世界で8番目に多く話されている言語
およそ約1億3000万人が日本語を話しているわけですが、これは世界人口の1.662%に相当します。世界で最も話されている言語のうち、日本語はエリア的に最も集中している言語であり、話者の大部分が日本という島国に居住しています。第二次世界大戦以前、日本の台湾・韓国併合、また中国やフィリピンなどいくつかの太平洋の国々への占領が要因となって、それらの国では日本語教育がなされました。その結果、これらの国では今でも年配の方の多くが日本語を話せます。
2.日本語は他の主要言語と系統関係をもたない
ロマンス諸語(例えば、スペイン語、フランス語)とゲルマン語派(ドイツ語など)とに密接に結びついている英語とは異なり、日本語は他の主要な言語と密接な関係を持っていません。実際に、日本語は「孤立した言語」として分類され、それは現在の世界のすべての言語の中で完全に唯一無二の言語であることを意味します。日本語を韓国語やオーストロネシア語のような他のアジア言語に結びつけようとする考えは諸説ありますが、どの説も今のところ容認されていません。
日本語が孤立した言語であることは、日本語非ネイティブにとって日本語を学ぶことが難しく、また日本語ネイティブにとって外国語を学ぶことが難しい、ということの1つの要因であるのかもしれません。
3.1980年代より日本語への国際的な関心が高まる
日本語への国際的関心が高まった理由としては2つの大きな要因が考えられます。まずは、1980年代の日本のバブル経済、そして1990年代のアニメやテレビゲームといった日本のポップカルチャーのグローバルな流行です。
アニメやゲームはドイツでも大変人気です。有名な作品の多くが吹き替え版としてドイツのテレビで放映され、日本のテレビゲームの多くもドイツで発売されています。ドイツの日本語学習者の数は、2012年から2015年にかけて約8%増加し、14,393人となりました。しかし、ドイツの日本語学習者は世界的規模でみると、まだ少数でしかありません。学習者の大部分は東アジアや東南アジアに集中しています。
4.日本語は世界一速く話される言語のひとつ
2011年、フランスの言語学者のグループが言語の平均的なスピードを測定するという研究に取り組みました。日本語は1秒あたり8音節近く発話される発話音節レート(spoken syllable rate:発話音節/秒)を持ち、これはスペイン語やフランス語、イタリア語より速いことになります。しかしながら、研究からほかにも面白いことが分かりました。日本語は最速の発話スピードを有する一方で、1音節あたりの情報密度は最も低かったのです。それは、日本語の敬語のせいかもしれません。日本語の敬語は多数の音節を持つ単語をたくさん使用しますが、これらの音節は必ずしも多くの情報を運ぶとは限らないからです。
5.日本語の単語のローマ字表記は16世紀にスタート
日本語のローマ字表記は16世紀にポルトガルの貿易商と宣教師の来日と共に始まりました。しかし、1633年から1853年まで日本が外国との接触を制限したことによってローマ字は使われなくなっていきます。19世紀後半になり、ペリー提督から始まる西洋諸国の侵入とその影響力を受けて徳川将軍が平和条約に署名し、日米外交関係が樹立されると、ローマ字が再び重要になりました。ローマ字表記にはいくつか種類がありますが、最も広く使用されているのは、アメリカの宣教師ジェームズ・カーティス・ヘプバーンによって1867年に考案されたヘボン式です。
この記事で紹介した5つの事実をおもしろいと思っていただいて何か新しい発見につながったのであれば幸いです。また、この記事は日本語の歴史を学べるちょっとした入門書としてもお勧めです。トランスユーロの翻訳者は、良い翻訳をご提供するために常に学習を怠らず、スキルの向上に努めています。日英翻訳、日独翻訳をお考えでしたら、お気軽にお問い合わせください。
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