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2020.06.29
特許翻訳
外国法人が日本に特許出願する際に覚えておきたい5つのポイント
日本での特許出願は減少傾向にありますが、日本に国内移行する国際出願の数は過去10年にわたり増加しています。外国の出願人が日本で特許権を取得するのは容易ではありません。私たちは、外国の出願人の助けとなるよう、日本に特許出願する際には覚えておきたい5つのポイントをリストアップしました。
1. 日本に法人を持たない場合は、特許出願をする日本の代理人が必要になる
日本に会社が無い場合は、日本に住所を有する代理人(弁理士)に特許出願を依頼する必要があります。代理人は、日本の特許庁とのすべてのやり取りを行い、特許庁から受ける様々な通知を外国の出願人に報告します。
2. 日本は先願主義の国である
日本では、同じ内容であれば先に出願した方が特許権を取得することができます。しかし、仮に同日に同じ内容の特許出願が2件あった場合は、日本の特許庁は先に出願した方に優先的に特許を与えることはしません。両社は互いに話し合うことが求められ、話し合いが解決しなかった場合、どちらも特許を取得することが出来なくなります。
3. 特許出願はまず外国語の書面で行うことが可能
日本の特許法では、いったんは外国語で出願することができます。しかし、パリ優先権主張日から1年4カ月以内に日本語の翻訳文を提出することが求められます。ほとんどの特許出願の書面は、この期間に問題なく翻訳できますが、長い明細書などの場合はその分時間を要しますので、ぎりぎりになってから翻訳依頼する先を探すようなことはないようにしましょう。もしも期限内に翻訳文が提出されなかった場合は、出願を取り下げたものとみなされてしまいます。
4. 特許明細書の翻訳は簡単ではない
ドイツ、ミュンヘンの“Steinbeis Transfer Institute”は、不正確な特許翻訳による問題はアジア言語において最も多く発生していることを明らかにしました。正確な翻訳を必要とするなら、特許翻訳を専門にしていて、その特許の技術分野に精通した翻訳者を抱えている翻訳会社を探すことをお薦めします。特に、日本にはない技術概念を扱う特許明細書の翻訳の場合は、しっかりした明確な翻訳をしないと、拒絶理由通知が何度も出されることになります。
トランスユーロには専門分野をもった経験豊富な特許翻訳者が揃っており、ご依頼があった特許翻訳の技術内容に最適な翻訳者を選んでおります。
5. 審査請求を出願から3年以内にしなければいけない
日本では、審査請求の期限は出願から3年以内です。PCT出願の場合は国際出願日から3年以内で、日本に国内移行した日ではないので注意が必要です。また、日本で審査請求の費用は請求項の数が増えるに従って高くなりますが、請求項を減らす補正をすることで、費用を抑えることが出来ます。
この記事が皆様のお役に立てるようでしたら幸いです。日本への特許出願で翻訳が必要になったときには、ご遠慮なくお問い合わせ下さい。
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