Blog
2021.11.22
翻訳一般
ウェブサイトの翻訳に自動翻訳ツールを使う際の5つの落とし穴
ウェブサイトによってはサイト上部に翻訳ウィジェットが設置されているものを見かけますが、これを利用すると、ワンクリックでウェブサイトが複数の言語に自動翻訳されます。通常、このようなツールはGoogle翻訳や類似のサービスを使用しています。
もしあなたがウェブサイト運営者であれば、これは一見すると、ウェブサイトを多くの人に閲覧してもらえるとても手頃な手段に思えるはずです。しかもGoogle翻訳は無料です。しかし、うますぎる話には落とし穴があるものです。今回の記事では、これらの自動翻訳ツールを使う際にサイト運営者がはまる落とし穴について説明します。
1. 機械翻訳ツールは画像内のテキストを翻訳できない
Google翻訳や他のほとんどの機械翻訳サービスは、画像を認識できませんので、画像内にバナーやボタンなどのテキストがあっても、機械翻訳ではこれらのテキストが読み取られません。そのため、画像内のテキストは翻訳されずに元の言語のまま残ってしまいます。これだと機械翻訳後のウェブサイト中に複数の言語が同時に混在することになり、サイト閲覧者が戸惑ってしまうでしょう。
2. 自動翻訳されたバージョンはGoogleにインデックスされない
Googleは、自動翻訳されたウェブサイトをインデックスしません。Googleポリシーにより、Googleは自動生成コンテンツをインデックスしないことになっています。これには、「自動化されたツールで翻訳されたテキストが人間によるチェックや編集を経ず公開されたもの」 が含まれます。
翻訳ツールを使用しても、検索ランキングに反映されるのはあくまでも元の言語のウェブサイトのみです。あなたが英語のウェブサイトの運営者だとして、たとえ日本語への自動翻訳を提供したとしても、日本人が日本語の検索クエリからあなたのウェブサイトにたどり着くことはほとんど不可能です。日本人が日本語であなたのウェブサイトを検索できないのであれば、そもそも日本語への自動翻訳を提供する意味があるのでしょうか?
3. 課題の残る翻訳精度
機械翻訳は品質が向上してきてはいるものの、まだまだ不正確で不自然な場合があります。自動翻訳はブラッシュアップできないので、不正確な翻訳や不自然な表現があるとユーザーに悪い印象を与える結果となってしまいます。誤った翻訳によって損害が生じた場合、裁判沙汰になるという最悪のケースもあります。そのような場合、コンテンツに対する責任はウェブサイトの所有者にあります。
4. 自動翻訳ツールにより損なわれるサイト表示速度とレイアウト
使用するウィジェットやアドオンが多いほど、ウェブサイトの処理速度は遅くなります。サイトの表示速度は、Googleがウェブサイトを評価する際の重要な基準です。処理速度の遅いウェブサイトは、検索順位に悪影響を及ぼします。また、文字やテキストの長さを揃えてレイウトを組んでいても、自動翻訳はそれに合わせて調整することができません。その結果、ウェブサイトのレイアウトが崩れてしまうことがあります。自動翻訳ツールを使用するのであれば、このようなリスクがあることを理解しておいた方がよいでしょう。
5. 自動翻訳されたキャッチフレーズの不自然さ
キャッチコピーを文字通りに翻訳してみたことはありますか。直訳すると別の言語では不自然な意味になり、場合によっては逆に顧客を遠ざけてしまうおそれもあります。以下の記事では、不適切なキャッチコピーの翻訳例をいくつか紹介しています。
機械翻訳はキャッチコピーのコンセプトを理解できないため、キャッチコピーも他の文章と同じように原文通りに直訳されてしまいます。キャッチコピーは単に直訳するのではなく、ターゲット市場に合わせて「トランスクリエーション」と呼ばれる創造的な翻訳をする必要があります。機械翻訳にはそこまでのサービスは期待できません。
6. 落とし穴を避けるにはどうしたらよいか?
機械翻訳を使う代わりに、ウェブサイトのコンテンツを翻訳してくれる信頼できる翻訳会社を探す方がベターでしょう。翻訳会社は画像内のテキストも翻訳対象としてくれますし、キャッチコピーなどにも自然な表現の翻訳を提供してくれます。また、検索ランキングに関しても、表示速度が損なわれず、しかも顧客の要望に応じ対象国のSEOに合わせて翻訳をアレンジすることも可能ですので、むしろ検索順位に好影響を与えるでしょう。ウェブサイトを他の言語に翻訳することを検討されている方は、以下の記事を参考にしてみてください。ウェブサイト翻訳のような大規模な翻訳プロジェクトをどのように進めるべきか、段階的に説明しています。
ウェブサイト翻訳をご希望の場合には、お気軽にお問い合わせください。
コメントを残す