発音のバリエーション
前回はお休みを頂きました。南ドイツはまだまだところどころ寒い日もありますが、それでも春に向かっているような空気を感じます。季節の変わり目ではありますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は発音にフォーカスしたテーマでお送りしたいと思います。
突然マニアックに聞こえるかもしれない質問からスタートしますが、皆様にはドイツ語に限らず好きな発音はありますか?(好き、というと抽象的すぎるかもしれませんが。)
「この発音は自分にとってはドイツ語らしく聞こえて好き」だったり、「フランス語の多様な鼻音が好き」だったり、「好き」の判断基準は様々だと思います。
私がとりわけドイツ語の中で好き、というか非常に興味を強く感じる発音はタイトルにもあるとおり、例えばドイツ語の一人称単数主格のichや、形容詞schwierig、前置詞のdurchなどに見られる、ドイツ語のつづりで言えば“g”または“ch”の発音です。
そもそもヨーロッパの言語の中に見られる各口蓋垂の発音分布と各言語間における関係性は、私が大学で音声学や音韻論を学んだ時にそのバリエーションや推移についてロジカルだなあと感じることが多々ありました。
そして特にドイツ語における発音に対する関心がとりわけ強まり、日々観察するようになったのが、ドイツで生活を始めてから、もっと言えば南ドイツに引っ越してきてからでした。
今日は関連する発音のバリエーションについて取り上げたいと思います。