スイスの知られざる衛星国時代
目次
スイスについてのイメージを聞かれると大概の人が思い浮かべるのは「永世中立国」ではないでしょうか?
これは教科書や観光ガイドを始め、スイスを採り上げる様々な媒体に加え、メディアで必ずと言っていいほど登場する単語であるだけでなく、スイス連邦が自ら世界に発信してきた代名詞であることから無理もありません。
また、永世中立国に付随して「反戦主義」や「紛争に一切関与しない」など色々な連想が独り歩きしたこともあって、スイスは「戦争をしたことがない国」とも称されています。
実際のところ、スイスはハプスブルク家からの独立を目指して幾度となく衝突を繰り返した他、長きにわたって各国に傭兵を派遣してヨーロッパの歴史に深く関わっていたものの、自国の国旗を掲げて他国と争ったことは一度もございません。
そんな喧嘩知らずで、どこかカッコよくも聞こえるスイスですが、実は過去に他国からの侵略を受け、国ごと乗っ取られた経験を持っていることをご存知でしたか?
この事実は世界史で語られるほど重大な出来事ではないため、スイスにそんな過去があったことを知らない方も多いと思います。
したがって、今回はスイスの意外と知られていない他国の統治下に置かれた衛星国時代についてご説明いたします。