自動車だけではない、ドイツは自転車天国
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ドイツは世界トップクラスの車生産国であり、高級車から大衆車まで多様ですよね。しかし、ドイツの町にいると、自転車も重要な交通手段のひとつであり、自転車保有率は、オランダに次ぐ世界第二位で、自転車の購入金額においては、オランダを抜いて世界第一位とのこと。ドイツは立派な自転車大国といえます。
自転車環境の充実
ドイツでの自転車生活はかなり快適です。その大きな理由は自転車専用のレーン、自転車道(Radweg)が存在するためです。自転車道がない場合は車道右側通行で走るのが規則。日本の自転車は歩道を走っている場合もあり、歩行者にとっても、自転車走行者にとっても、実はかなり危険ですよね。とはいえ、ドイツでも歩行者を気にせず走行できるためか、かなりのスピードを出しているので大変危険です!これは自転車道になじみのない日本人にありがちで、うっかり自転車道を歩いたりすると、ものすごく怒られることもあります。日本と違い、自転車の交通ルールも厳格で、逆走や、無灯火などは罰金になる場合もあり、手信号もきちんと出すのが常識のようです。
さて、自転車道のほかにも、路面電車や、鉄道への自転車の持ち込みが許可されている点も大きな特徴です。他の都市へ遊びにいく際に自転車を電車に担ぎこんで、目的地でサイクリングを楽しむ、遠く離れた実家に帰る際に自転車も一緒に持って帰る…様々な目的で自転車を持ち運びできる環境はちょっと日本では想像できないですよね。
多様な自転車車両
さて、自転車の原型となるDraisine(ドライジーネ)も、自動車同様、ドイツの発明品で、1817年、カール・フォン・ドライスの手によって発明されました。木製の二輪車で、ペダルはなく、足で地面を蹴りながら進んでいき、およそ時速15キロを出したといわれています。
発明国であるが故かはさておき、ドイツには確かに日本では見かけないタイプの自転車や車両を見かけます。例えば、リカンベント(Liegerad)と呼ばれる自転車は、サドルではなく、背もたれシートが装備され、前方への足の屈伸運動で走行します。初めてこの自転車を見たときには衝撃でした。ちょっと体勢が辛そうにも見えますが、空気抵抗も通常の自転車より少なく、長時間の走行にも負担が少なく、平坦な道に最適だそうです。とはいえ、街中でみかけることはそこまで多くはありません。
子供を乗せて、自転車で牽引するチャイルドトレーラー(Kinderanhänger)を付けて颯爽と走り抜ける親子はよく見かけます。トレーラーは結構大きいので存在感もありますが、専用自転車道があれば、問題なく走行できます。
ドイツの徹底した自転車環境ですが、2015年には、都会の交通渋滞や大気汚染問題への解決策として、国内初の自転車専用高速道路が開通しました。この開通により1日あたり五万台の自動車利用が減少するとのことです。アウトバーン+環境意識のハイブリットな対策は実にドイツ的ですね!
参考HP
これまで【日本人からみると不思議なドイツ事情】、【ものづくりの国ドイツ】を担当してまいりました、HHです。京都生まれ。ドイツ・フライブルク大学卒。留学中に得た経験をもとに、独自のアンテナを張って様々な側面からみたドイツをお伝えしていきたいと思います!皆さまのドイツ文化に関する興味・関心、ブログの感想もぜひ聞かせて下さいね。
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