ドイツのタバコ事情

日本では2020年4月に施行された健康増進法により、受動喫煙防止のため、さらに厳しい喫煙への規制ができました。世界的に喫煙に対する規制は厳しくなっていますが、日本に比べるとドイツの喫煙事情は、少し様相が異なっています。街を歩けば、歩きたばこをしている人も多く、吸い殻もよく落ちており、なんとなく喫煙に対してはゆるい雰囲気を感じます。

歩きタバコは法規制されていない

 

日本同様、2000年代に入り、喫煙に関する規制が厳しくなったドイツ。公共の施設内などの屋内での喫煙は2007年より禁止されており、喫煙ゾーンでの喫煙が促されています。通常、州によって諸々の法律が異なるドイツですが、この規制に関しては大差がないそうです。では、一体どこで吸えるのかというと、喫煙ゾーン、個人の車内、そして道端での喫煙にも規制はないそうです。このため吸い殻も街中によく落ちているのでしょうか。

国別煙草消費概況による消費量番付(注;15歳以上の1人当たりで合法に販売された機械製造煙草の年間消費本数)では、ドイツ32位、日本33位で、わずか16本ほどの差でランクインしています。消費量全体では、日本の方が上位に位置しています。

喫煙者の男女比はドイツで、男性25.1%、女性で16.1%、日本は男性26.6%、女性は9.3%。たしかに、ドイツで生活していると喫煙している女性も日本と比べると多く見かけます。一度、ローラースケートを履いて、ベビーカーを押しながら喫煙している女性を見かけたときは、あまりの自由さに衝撃を受けました…。

 

グロテスクなパッケージで購買意欲を下げる

 

さて、年々喫煙者の数が減っている点も日本同様の傾向でしょうか。しかし、タバコ自体の価格は日本がおよそ一箱500円前後(2020年5月現在)であるのに対し、ドイツでは一箱7ユーロ(およそ830円)と数段高いのです。このため、安価な葉タバコで手巻きのタバコを吸っている人々も少なくありません。日本ではあまり見かけませんね。

そしてかなりショッキングであるのは、タバコのパッケージではないでしょうか。以前は箱には上記写真のような『Rauchen ist toedlich』(喫煙は死に至る)という様な文字警告だけであったのに対し、今日では、購買意欲を失わせるような生々しい警告画像(病巣となった肝臓や、タバコによる被害を表す直接的な写真)が、パッケージの三分の二を占めています。このグロテスクなセンスは、欧米的…と感じますね。

2006年までは16歳からの喫煙が許されていたドイツですが、2007年からは18歳に引き上げられました。そしてアルコール消費量同様、10代の喫煙者数も年々減少しているそうで、これも同様の傾向が日本でも見られます。


参考HP

 

Comments

(1 Comment)

  • なめ

    1980年代日本はひと箱200円代で、西ドイツでは銘柄にもよりますが5マルクでした。為替によりますが600円から700円くらいかな。めちゃ高いという印象でした。30数年経ちましたが、上げ幅だけ考えると日本もドイツも200円~300円ていどですが、ドイツのほうがすごく高いという感じではなくなりましたね。30年以上禁煙しているので、個人的には1000円にすればいい、なんて思ってますけど。

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