ドイツの学食 メンザ
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ドイツの学生食堂メンザ(Mensa)は、大学生活には欠かせない存在です。
基本的には日本の学食と大きな違いはなく、良心的な価格で食事が提供される場であることには違いありませんが、『安い、多い、まずい』などと揶揄されることも少なからずあります。価格は割高になりますが学外の人でも利用できるため、ドイツ文化を直接的に感じられる場ともいえるのではないでしょうか。
学生生活の味方!
メンザという言葉は、もともとラテン語で「長机」を意味します。、また企業などの社員食堂はカンティーネ(Kantine)といい、こちらも社外の人が利用できる場合もあります。
大学のある都市にメンザあり
通常、単科大学にはひとつのメンザ、総合大学の場合はメンザが複数ありますが、大学の多いベルリンなどでは、21校の大学および大学院にそれぞれメンザが作られており、多い大学では8つにものぼるため、ベルリンにあるメンザの数は合計53施設にも及びます。
利用手順は、まずメンザ用のカードにチャージします。そして並んでいる小皿などをトレイにセルフで取り、メインメニューを指定します。会計はメンザカードで支払いをし、食後は自分で食器を返却するというのが一連の流れ。日本と変わりませんよね。値段のほうは、国および学生互助会(Studentenwerk)からの援助があるため、だいたい4ユーロ以下で提供されており、定食でおよそ3ユーロから4ユーロほどになります。もちろん学生のお財布にやさしく、その量も考えるとコスパは抜群です。
メンザのメニュー 美味しい?
『安い、多い、まずい』-これは私がドイツ留学直前に、留学経験者の方から聞いていたメンザの評判です。実際にドイツ人学生からも『食べられるレベル』などと手厳しいことばを聞いたことがありました。
メンザの主な献立は、ミニサラダ、メインプレート、デザートのセットで、これはどこの大学でもほぼ同じではないでしょうか。メインプレートは主にドイツ風のトンカツ(シュニッツェル)やチキンステーキといった肉料理に、フライドポテトやドイツ風のポテトサラダが添えられている定食が定番です。もちろんベジタリアン、ヴィーガン用の食事もあります。最近ではバリエーションも増え、イタリアンやフランス料理、トルコ料理、メキシカンにアジア料理など、多彩なメニューも提供されるようになりました。また、金曜日はイエス・キリストが磔刑にあった曜日であることから、金曜日は肉食を避ける習慣があるため、メンザのメニューも魚料理が出されます。この点はキリスト教文化圏ならではといえるでしょう。
さて、実際にメンザで食べる食事は美味しいのか否か?客観的に答えるのは難しい問題ですが、日本人目線からいえるとすれば、盛り付けのダイナミックさ、量の多さ、料理の大味さなどは特筆できる点かもしれません。
しかしここ15年ほどで、確実にメニューが豊富になり、年々質が向上していると個人的には感じました。学生食堂とはいえ、ドイツの食文化の発展が如実に映し出されているようです。ドイツに行かれたら、メンザを一度は試してみてはいかがでしょうか。
参考HP
- Mensa Wikipedia
https://de.wikipedia.org/wiki/Mensa
- Mensen Studierendenwerk Berlin
https://www.stw.berlin/mensen/
これまで【日本人からみると不思議なドイツ事情】、【ものづくりの国ドイツ】を担当してまいりました、HHです。京都生まれ。ドイツ・フライブルク大学卒。留学中に得た経験をもとに、独自のアンテナを張って様々な側面からみたドイツをお伝えしていきたいと思います!皆さまのドイツ文化に関する興味・関心、ブログの感想もぜひ聞かせて下さいね。
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