ドイツの結婚式
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ドイツ語で結婚式はHochzeitといいますが、語源では人生の絶頂期という意味合いがあります。日本の結婚式、披露宴はかなり形式的で服装やご祝儀などのマナーも細かく決まっていますが、ドイツでの結婚パーティーは個人差も大きく、かなり自由度が高く、アットホームな雰囲気で行われることが多いようです。今日はそんなドイツの結婚式事情を覗いてみましょう。
戸籍局?それとも教会で?
ドイツ人に「結婚しました!」と報告すると、「式は戸籍局で?それとも教会で?」と第一声に聞かれることでしょう。ドイツで結婚する時には、まず戸籍局で式を挙げ、クリスチャンの場合にはさらに教会で式を挙げるのが一般的です。
戸籍局(Standesamt)とは、出生届や婚姻届を管理している公的機関です。(ちなみにドイツに戸籍制度はありませんが、在ドイツ日本大使館、外務省など官公庁のHPではStandesamtは戸籍局と訳されており、他には登記所という訳語が与えられている場合もあります)
この戸籍局での結婚は公的機関への届け出とはいえ、日本で婚姻届けを役所に提出する場合のようなただの事務手続きではなく、正式な「儀式」が行われるのです。部屋は局内にある大き目のホールや、荘厳な雰囲気のある「儀式」に相応しい小部屋、会議室のような部屋など戸籍局によって様々です。親族、招待客も同席することができ、証人の立ち合いのもと、誓いの言葉、指輪の交換など通例の結婚式の内容が執り行われます。
一方、教会で結婚式を行う場合は、神の前で愛を誓いあう儀式です。しかし一方が洗礼を受けた正式なクリスチャンでなければ教会で式を執り行う事はできません。日本のように形式だけのチャペルでの結婚式とはわけが違うのです。
アットホームな雰囲気の中で
戸籍局、もしくは教会での結婚式のあとは、レストランなどで結婚パーティーを催すことが一般的です。日本のホテルウェディングのような堅苦しさはなく、招待客の服装もフォーマルな方もいれば、かなりラフな装いの人もいます。新郎新婦が指向を凝らした手作り感満載のパーティーも多く、アットホームな雰囲気の中で行われるので、マナー上のタブーは日本ほど多くない印象です。
食事会程度のシンプルな形式で済ます人もいますが、飲んで踊って翌朝まで賑やかに時間を楽しむスタイルが好まれています。パーティー中には、さらわれた花嫁を花婿が探し出すBrautentführungというゲームをするのも伝統のひとつだとか。
そして日本のような形式的なご祝儀の風習もなく、招待客はキッチン用品や、新生活に必要なものをプレゼントに持って来るのが一般的です。とはいえ、昨今では現金のプレゼントをする習慣も増えているそうです。ただし、日本のようにご祝儀袋にいれるのではなく、お札を折り紙のように折りたたんで、額縁の中に飾られたものや、丸めてウェディングケーキなどに見立てたものなど様々なデコレーションが施されたお札が贈られているのを見かけたこともあります。お札×折り紙=ドイツのご祝儀。初めて見たときにはびっくりしました。ハイブリットなコンビネーションですね。
アットホームな雰囲気で祝うドイツの結婚式。結婚前夜にはPolterabendという陶器のお皿を新婦の家の前でたくさん割り、それを新郎新婦で片づける縁担ぎの風習や、独身最後の晩に同性の友人たちと大騒ぎするJunggesellabschiedなど、他にも日本にはない習わしが色々あります。ドイツ式の結婚式も楽しそうですね。
参考HP
これまで【日本人からみると不思議なドイツ事情】、【ものづくりの国ドイツ】を担当してまいりました、HHです。京都生まれ。ドイツ・フライブルク大学卒。留学中に得た経験をもとに、独自のアンテナを張って様々な側面からみたドイツをお伝えしていきたいと思います!皆さまのドイツ文化に関する興味・関心、ブログの感想もぜひ聞かせて下さいね。
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