ドイツのコロナ事情‐2021秋冬

欧州各国で再び新型コロナウィルスの感染拡大がみられ、ドイツでも2021年10月下旬から感染者が増大している状況下にあります。一日あたりの新規感染者数は日に日に更新され、11月26日には7万6千人という過去最多の数字が記録されました。さらには新しい変異株であるオミクロン株感染者も確認されており、感染拡大に伴い、行動措置も強化されています。

第四波 強化される規制

 

第四波とされる欧州の新型コロナ感染拡大。ドイツの隣国オーストリアでは11月22日からロックダウンが実施され、ドイツでも新規感染者数は毎日増加、累計死者数は10万人を突破、状況は悪化の一方を辿っており行動規制も強化されています。

8月23日からドイツ国内で導入されていた3Gルールとは、隔週の過去7日間の新規感染者数を基にした指数に従う制限措置で、公共機関やレストランの屋内、病院・介護施設などへはGeimpfte(ワクチン接種者)、Genesene(コロナ感染からの回復者)、Getestete(PCR検査又は抗原検査の陰性証明書所持者)のいずれかに該当する場合のみ立ち入りが許可されていました。

しかし第四波を受けて、これらのルールも拡充され、各州の過去7日間の人口10万人当たりの入院率を三段階に定め、これに応じて2Gルール、2Gプラスルールという制限措置に強化されました。2Gとはワクチン接種者と回復者のみ諸施設の利用立ち入り許可、2Gプラスは接種者、回復者らにも検査の陰性証明が必要となりました。これは実質上、ワクチン未接種者への厳しい措置となります。ドイツのワクチン接種率は68.4%(11月26日現在)と思いのほか伸び悩んでいますが接種は義務化されていないため、これを受けての2Gルール及び2Gプラスへの強化ともいえるようです。

ワクチン接種率、新政権への移行、オミクロン株の出現 

 

ドイツの感染拡大の理由は、季節が冬へと移行している点、ワクチン接種率の問題、またマスクや手洗い、ソーシャルディスタンスといった基本的な感染対策を人々が疎かにしている点などが指摘されていますが、今秋、ドイツ政府が新政権への移行期間にある点もしばしば指摘されています。9月26日で長期政権を終えたメルケル首相でしたが、新しい連立政権の発足までは首相を代行して任務している状況でした。シュルツ首相の連立政権への合意がすすみ、シュルツ首相の新政権は12月に発足と決まったのは、選挙から約2カ月経ったつい先日の11月25日のことです。政権交代の隙をつくようにして広がった今回の第四波。政治的に不安定な時期であったため、対応が手薄だったのではとの指摘もあり、これは感染拡大のひとつの要因となり得るとの声も挙がっています。

これに加え、ドイツ国内でも、南アフリカからの帰国者から、既にオミクロン株感染者が確認されています。変異種による新たな脅威に晒されている現状にあり、世界の緊張感はまた高まりをみせています。

 (この記事は2021年11月29日現在の情報に基づいています)


参考HP

 

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