SamichlausとGrittibänz

12月に入り、街中はクリスマスソングで溢れていますね。せっかくですので、今回はこの季節にピッタリのテーマ「SamichlausGrittibänz」について書いていきたいと思います。どちらもスイスドイツ語で、基本的にはこの季節にしか登場しない言葉です。詳しくは、最後までお読みいただければお分かりいただけるかと思います。

サンタさんはクリスマスにやってこない?!

 

まずは、簡単にスイスのクリスマスについて。日本ではクリスマスになるとサンタクロースがやってきますが、スイスでは天使のような姿をしたChristchindliがやってきます。(ドイツでもほぼ同じで、Chirstkind(クリストキント)と呼ばれています。)私も、子供の頃は寝ている間にこのChristchindliがプレゼントを持ってきてくれると言われて育ちました。

余談ですが、クリスマスマーケットのことをスイスではChristchindli-Märtとも呼びます。

では、サンタさん…いや、スイスドイツ語Samichlausはいつやってくるのか。実は、12月25日ではなく、「聖ニコラウスの日」の12月6日なのです。私も何度かSamichlausのイベントに行った記憶がありますが、楽しみであったのと同時に緊張していました。と言いますのも、SamichlausSchmutzliと呼ばれる黒い格好をした仲間と一緒にやってくるのですが、Schmutzliは枝の鞭を持っているのです。「いい子はお菓子をもらえるけれど、悪い子はお仕置きされる」と親に聞かされていたので、悪い子だと判断されたらどうしようという不安がありました。この日のために詩や歌を覚え、Samichlausの前で披露し、無事にみかんや落花生、チョコレートなどの詰め合わせをもらい、ほっとしながら帰って行ったことを覚えています。

ちなみに、1人のSamichlausと1人のSchmutzliではなく、数多くのSamichläusSchmutzlisが集まることも決して珍しい光景ではありません。大勢の子供たちを相手にしなくていけないので理解はできますが、なかなか面白い光景です。

この時期には欠かせないGrittibänz

 

もう一つこの季節ならではのものといえば、人の形をしたGrittibänzという名前のパン。この時期になるとスーパーやパン屋さんで見かけるようになりますが、自宅でもよく作られています。何と言っても、パン生地で人の形を作り、レーズンやナッツで飾り付けをする作業は子供にとっても楽しい体験なのです。私も子供の頃、クリスマスシーズンになるとワクワクしながらクッキーとGrittibänz作りを手伝っていたことを思い出します。あまりに当然の存在でしたので、当時Grittibänzとはどういう意味なのか、なぜ人の形のパンを作るのか疑問に思ったこともありませんでした。

今回改めて調べてみましたが、Grittibänzは足を広げた男を意味し、もともとはSchmutzliのことを指していたのだとか※。呼び名は地域によっても様々あるようですが、可愛くて美味しいことには変わりありません。

(Grittibänz  Chuchichäschtli撮影)

ドイツにもこの時期似た習慣があるかと思いますが、私自身体験したことがないので、今回はスイス目線で書かせていただきました。いつかはドイツのクリスマスマルクトなどにも行ってみたいです。

この時期のドイツ旅行を計画されている皆さんも、よろしければぜひスイスにも足を伸ばしてみてください。

Uf widerluege!

(それでは、また。)

Chuchichäschtli

 


 

※スイス Blick紙「Woher kommt eigentlich der Grittibänz?」より

 

参考ホームページ

 

 

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