ドイツ人のファッション 

ヨーロッパの中でおしゃれといわれている国はどこだと思いますか?フランス?イタリア?もしくは北欧の国々?ファッションブランドといえば、やはりイタリア、フランスが強いからでしょうか。きっとドイツはあまり挙げられないかもしれません。ファッションに関するドイツ人の意識はどのようなものなのでしょう。

質実剛健、本質重視?

 

ドイツでは日本のファッションほど多様性がないように思います。例えばドイツの女の子は、あまりスカートをはきませんし、色も華美な色は少なくシンプルです。そして何より日本のようにシーズンごとの流行というものがない気がします。また、サンダルに靴下をはいている男性はたいていドイツ人というステレオタイプがあるようで、ドイツ人のファッションは少々揶揄される傾向にあるようです。質実剛健、本質重視。ドイツ人のエッセンスとして語られるお決まりのキーワードですが、事実、服装に対してもそのような態度が見受けられる気がします。

 

ドイツ人からみたドイツ人のファッション

 

ドイツ人自身は、自分たちのことをどのように思っているのでしょう。ドイツ人の今日のファッションに関する興味深い記事をいくつか見つけました。

文学研究者のバーバラ・ヴィンケル氏は、昨今のドイツ人たちの服装の乱れを嘆いています。またファッションジャーナリストのペーター・ベンドレ氏は、ドイツ人のファッションへの関心の低さを指摘し、アメリカでは、映画やスターたち、イギリスでは皇室、フランスでは上流社会の人々をお手本としてファッションを取り入れますが、ドイツには、お手本となるようなファッションアイコンがないことを述べています。そして、これまでドイツがファッションの世界で注目度が低かったことに言及し、ベルリンが独自のセンスを貫き通せば、ファッションの発信地となれることを示唆しています。ドイツのファッション業界の人間からみても、一般的なドイツ人はファッションに対する思い入れが低いという評価のようです。

 

 

 ドイツ人とモード

 

なぜドイツ人がファッションやモードに対して無関心なのか。ジャーナリストのイェンス・イェッセン氏は、ドイツ人は、モードがひとつの「ことば」であり、常に何かの表現であることを知らないからだと答えています。たとえばイタリア人やポルトガル人は、靴は美を表現する手段であり、セクシーさを演出したり、社会的地位を高めたりするものと考えており、ドイツ人が「快適だから」という理由でサンダルを選ぶことを考えられないと述べています。ドイツ人はまさに、「機能性、自然さ、健康」をファッションの基準としており、ラテン系民族(イタリア、スペイン、ポルトガル、フランス人など)のようにファッションで、美や社会的地位や表現を志向していないと分析しています。

このような価値観は個人差もあるとは思いますが、代表的なドイツのファッションブランドといわれて、すぐに思いつくものは何でしょう。アディダス・プーマは有名ですが、こちらはスポーツウェアですね。一方で、車のメーカーはすぐに思い浮かぶと思います。アパレル産業より、やはり工業が強い国であることは間違いありません。

確かに衣食住で優先順位をつけるならば、ドイツ人は住・食・衣と聞くこともあります。本質重視の国では衣服はまさに外面的なもので、本質ではないということなのでしょうか。

 


 

参考HP

 

Comments

(0 Comments)

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA