ドイツはパン天国
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パン、好きですか?ドイツパンにはどのような印象がありますか?「日本のパンはパンではない!」とドイツ人に言わせるほど、日本のパンとドイツのパンは別物だそうです。ドイツのパンは、大型パン、小型パン、菓子パンなど合わせると、その種類は実に3200種以上(Brotexperte調べ)にも及びます。パン屋さんは町中至る所にあり、朝、昼、夜と毎食食べられているパン。身近な存在だけれど、長い歴史と奥深い文化を持つドイツのパンについてお届けします。
ドイツのパン文化は無形文化遺産!
和食が2013年にUNESCOの無形文化遺産へと登録されましたが、ドイツでは2014年にドイツのパン文化が無形文化遺産へと仲間入りしました。その理由には、世界中の人々に愛されているだけではなく、上述のように3200種以上にも及ぶ種類の豊富さ、何世紀にも渡って発展を遂げた高品質で多様な製パン技術の伝統と、今日もなお、新しい技術を取り入れている点が評価されました。また地方による天候や土壌の違い、歴史的、政治的、地理的な背景によって、ドイツのパンが地域ごとに豊かな多様性を生み出している点も注目されています。飢饉や窮乏、戦争による環境変化があるごとに、パン職人たちは新しい原材料を試し、知識を蓄え、焼き方を工夫して新しい技術を獲得する必要がありました。
Brotzeit, Abendbrot
このように、ドイツのパンを取り巻く歴史と環境をたどると、やはり一大文化なのだと実感しますね。さて、では実際にドイツ人はどのようにパンを食べ、楽しんでいるのでしょうか。ドイツ人とパン、それはBrotzeit、Abendbrotといったスタイルの食事が、ドイツのパン文化を如実に表しているのではないでしょうか。
Brotzeitとは日本語に直訳すると「パンの時間」という意味ですが、要は「おやつ」や「軽食」のことを指しています。ちょっと小腹がすいたときに、パンとチーズやハムやスプレッドなどの付け合わせをつまみます。もともとはバイエルン地方、フランケン地方、チューリンゲン地方の一部の習慣で、主にビアガーデンなどで、昼食と夕食の間に提供されるものです。
またAbendbrotは、夕食のことを指しています。ドイツでは一般的に昼食がメインの食事で、昼にスープ、サラダ、調理された暖かい肉料理や魚料理を食べ、夕食にはKaltes Essenといって、火の通っていない冷たい食事で簡単にすませる習慣があります。ここに欠かせないものはもちろんパン。チーズやハム、あとはキュウリやトマトをカットしたもの。何だか日本の食卓とはずいぶん違いますよね。とはいえ、今日ではドイツ人の約半数は夕飯にも暖かい食事をとっているそうです。いずれにせよパンが身近な存在であることには間違いありませんね。
ドイツにおけるパンは、日本人にとっての米と同じく、切っても切り離せない文化的象徴ともいえるでしょう。キリスト教の教義ではパンとワインはキリストの身体と血の象徴とされており、キリスト教文化とも深く結びついています。一方、稲作文化も儀礼や信仰と深く結びついてきました。
今晩はドイツ風にパンを晩御飯にしてみませんか?
参考HP
- Deutsche UNESCO-Kommission Deutsche Brotkultur
- Wikipedia Zwischenmahlzeit
- 軽食でもずっしりドイツのブロートツァイト
- 南ドイツが誇る、ビアガーデンの食文化
これまで【日本人からみると不思議なドイツ事情】、【ものづくりの国ドイツ】を担当してまいりました、HHです。京都生まれ。ドイツ・フライブルク大学卒。留学中に得た経験をもとに、独自のアンテナを張って様々な側面からみたドイツをお伝えしていきたいと思います!皆さまのドイツ文化に関する興味・関心、ブログの感想もぜひ聞かせて下さいね。
Comments
(1 Comment)
ドイツの黒パン、大好きです!!
木の実やドライフルーツが入っていて、とてもヘルシーな印象です。
AbendbrotをKaltes Essenで済ませられるなら、共働きのお母さんは助かるだろうなぁ。
ドイツの朝ごはんについても教えていただけたら嬉しいです^^
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