メルヘン それはドイツから
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赤ずきん、ヘンゼルとグレーテル、ブレーメンの音楽隊。。。子供時代に慣れ親しんだ物語の数々ではないでしょうか。このような物語、いわゆるメルヘンと聞いてどのようなイメージが浮かびますか?夢のようなおとぎ話、森の中に住む魔女、ヨーロッパのふるいお話など様々なイメージがあるかと思います。これらは主にドイツの民話であり、古くから伝えられている物語です。ドイツの観光ツアーにおいては、メルヘン街道というものもありますね。今回はこのメルヘンについてお届けします。
グリム童話はグリムが著者ではない
メルヘンとは元来ドイツで発生した散文形式の空想的な物語のことを指しています。グリム童話が最も有名なメルヘンといえるでしょうが、これは、グリムが創作した物語ではなく、口承で伝えられてきたドイツの民話をグリム兄弟が編さんした民話集であることは意外と知られていない事実です。日本では、2000年代初頭に、『本当は怖いグリム童話』という本が流行りました。グリムによって収集された物語は、元々、文章が粗野であったり、残酷な描写や性的事柄が述べられていたりして、子供向きではありませんでした。このため、当時の読者であった子供たちや富裕市民層のために、弟であるヴィルヘルム・グリムによって加筆修正、削除された部分があるのです。たとえば、白雪姫やヘンゼルとグレーテルに出てくる継母は、実は実母として語られていましたし、塔に閉じ込められたラプンツェルは王子の夜這いで妊娠してしまったというのが元々の物語です。たしかにそのままでは子供には説明しにくいお話になりそうですね。
ドイツ人の子供が好きなメルヘンは?
さて、本国ドイツでメルヘンはどのような立ち位置にあるのでしょうか。2016年に行われた3歳から13歳までの男児・女児1,210人へのメルヘンに関する意識調査によると、回答者の約60%がお気に入りのメルヘンを挙げ、女児の第一位は「シンデレラ」として有名な『灰かぶり姫』(Aschenputtel)、第二位が『白雪姫』(Schneewittchen)、第三位が「眠りの森の美女」として有名な『いばら姫』(Dornröschen)、男児は第一位が『ヘンゼルとグレーテル』(Hänsel und Gretel)、第二位が『長靴をはいた猫』(Der gestiefelte Kater)、第三位が『白雪姫』(Schneewittchen)となりました。 しかしアンケートでは、メルヘンを知らない、または思い出せない子供たちが12%いるという結果も出ています。ちなみに別の調査では、ドイツ人の大人に人気のメルヘンは白雪姫13%、ヘンゼルとグレーテル、赤ずきんがそれぞれ8%となっています。(2007 Bücher調べ)
ドイツの街並みは古い木組みの家が残っているところも多く、メルヘンの世界観が今日でも色濃く残っている小さな町も多いです。あなたのお気に入りのメルヘンはなんですか?ドイツ国内にある物語のゆかりの地を訪問してみるのも楽しそうです。
参考HP
- メルヘン Wikipedia
- グリム童話
- Neue Studienergebnisse zum Thema Kinder und Märchen
- グリム童話―グリム兄弟のすべてのおとぎ話
- Schneewittchen schlägt Rotkäppchen Spiegel
これまで【日本人からみると不思議なドイツ事情】、【ものづくりの国ドイツ】を担当してまいりました、HHです。京都生まれ。ドイツ・フライブルク大学卒。留学中に得た経験をもとに、独自のアンテナを張って様々な側面からみたドイツをお伝えしていきたいと思います!皆さまのドイツ文化に関する興味・関心、ブログの感想もぜひ聞かせて下さいね。
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