ドイツ式夏休みの過ごし方

 

ドイツの学校が夏休みに入りました。

夏休みの期間は６週間ですが、ドイツの夏休みは、住んでいる州によって、開始時期がずれているんです。

例えば今年、夏休みが一番早かったのは、６月２０日から夏休みがスタートしたザクセン州とチューリンゲン州。

私が住んでいるラインラント・プファルツ州はそれより２週間遅れて７月１５日から夏休みが始まりました。

夏休みの期間がずれているのは、空港や交通機関の混雑を防ぐためのもので、とてもいい制度ですよね。

 

夏休みの過ごし方

 

ドイツの学校は、日本の学校とは違い、夏休み期間中は「宿題がない」、さらに自由研究や日記などの課題も一切ありません。

普段から塾通いもなく、日本の子供たちと比べて時間的にゆとりのあるドイツの子供たち。

日本人の母親の私としては長期休暇中に宿題が一切ないというのは、かーなり物足りないのですが、ドイツの子供たちは自由時間を大いに満喫します。

またドイツは長期有給休暇を取得しやすい国ですが、夏休みのハイシーズン中は宿泊施設や飛行機の値段が一番高い時期なので、家族旅行に６週間も出掛ける余裕のある家庭はかなり稀です。

なので、夏休みは２週間程度の家族旅行に出かけるのが一般的です。

夏休み中に両親が仕事をしている場合は、地域コミュニティ等が提供するサマープログラムやサマーキャンプに子供たちを参加させたりしますが、これもスポーツやアート、プログラミングなど、様々なテーマから選ぶことができて楽しそう。

 

 

夏休みの家族旅行で人気の行先といえばやっぱり海、ビーチ！

ギリシャ、クロアチア、スペイン、イタリアなどの南ヨーロッパも人気ですが、近年、南欧の夏は半端ない暑さなので、北ドイツの北海やバルト海、隣国のオランダやデンマークなどの北ヨーロッパ諸国の海も過ごしやすくて人気が高いです。

ビーチで１～２週間、特に観光をするという訳でもなく、砂浜で遊んだり、ゴロゴロしたり、読書したり、仕事も学校のことも忘れて「何もしない」期間を過ごすことはドイツ人にはとっても大切のようで、しっかり休むことで仕事の生産性がアップするとも言われています。

 

テニス ヨーロッパ ジュニア大会に行ってきた

 

我が家には思春期の息子と娘がおり、娘は「夏休み中は特に何もしたくない」ということで、家でゴロゴロしたり、友達と遊びに行ったり、まさに「なんにもしない」時間を満喫している様子。

一方、息子はテニスに熱心に取り組んでおり、「もっとレベルの高い試合に出たい！」という彼のテニス欲を満たすべく、夏休み一週目は、私たちが住む街から約３７０キロ離れたウルムという街で開催されたテニス ヨーロッパ ジュニア大会（カテゴリー２）の試合に付き添いました。

自分でアウトバーンを運転していったのですが、ドイツで普段から車を運転していると、３７０キロという距離は遠距離という感覚ではなくなってしまいますね（汗）。

今回もお昼にマクドナルドのドライブスルーに立ち寄った以外は、アウトバーンを駆け抜けて、４時間後にウルムに到着しました。

さてヨーロッパでは、テニス ヨーロッパ ジュニア大会がヨーロッパ各地で多く開催されており、自分の国だけでなくヨーロッパ各国のジュニア選手たちと対戦できる機会が豊富にあります。（勿論、出場するには条件を満たさないといけません）

今回は夏休みの期間と重なるためか、はるばるオーストラリアや日本からドイツの大会にやってきた選手も複数いました。

将来プロを目指す、目指さないは別として、テニス ヨーロッパ ジュニア大会で各国の選手と戦うということは、レベルの高い選手と戦えるだけでなく、対戦相手と英語で、時には喧嘩もしながら会話しないといけないので、コミュニケーション能力もかなり鍛えられます。

試合で負けるのは勿論悔しいですが、テニス ヨーロッパ ジュニア大会は欧州各国で頻繁に開催されているため、「次があるさ」といった前向きな空気があるのが良いと思いました。

私の息子も負けたけれど、他国の選手と友達になって携帯番号を交換したり、一緒にテニスコート内のレストランで食事したりと、なんだかワイワイ楽しそう。

ヨーロッパのテニスが強い理由は、ジュニアの頃からテニスヨーロッパ大会に参戦して各国の選手と戦う機会が豊富にある点が大きいなと思いました。

 

 

学校の宿題や塾通いのない、ドイツの夏休み。

ドイツの子供たちはそれぞれ自分の好きなことに時間をたっぷり使うことができます。

毎日寝坊したり、「何もしない」のもアリ、学校がある期間にはできないことをしてリフレッシュするのが、ドイツの夏休み。

私も子供時代に戻れたら、ドイツ式に夏休みを過ごしてみたかったなあ～と思います。