ドイツのオリンピック事情

 

今年はオリンピック開催年。

ドイツのおとなり、フランスはパリで先日開会式が行われ、17日間に渡って競技が開催されています。

今回のオリンピック開催地はパリですが、実はドイツの首都ベルリン、そして北ドイツの主要都市ハンブルクの二つの都市は、今大会の開催地候補として名乗りをあげる方向性でした。

しかし住民投票で否決となったため、立候補を取り下げたという経緯があります。

今回はドイツにおけるオリンピック事情をお届けします。

 

ドイツでオリンピックが開催された回数は?

 

 

ドイツにとっては、立候補することもかなわなかった2024年の夏季オリンピックですが、今までにドイツで開催されたオリンピックは夏季冬季合わせて3度あります。

1度目は1936年の夏季のベルリンオリンピック、同年冬季はガルミッシュ=パルテンキルヒェンで行われました。

その36年後の1972年にはミュンヘンオリンピックが夏に開催されました。

実際に開催されたのはこの3回ですが、1916年の夏季オリンピックもベルリンに開催権があったものの、第一次世界大戦の影響で中止となった歴史もあります。

そして招致を試みたものの選考に敗れた年も多々あります。

1908年、2000年はベルリン、1936年に立候補したのはニュルンベルクフランクフルト、1992年はベルヒテスガーデン、2012年にはライプツィヒ、2018年の冬季オリンピックにはミュンヘンが立候補しましたが、いずれも開催権を獲得することはできませんでした。

 

1972年のオリンピック時に建設されたミュンヘンオリンピック競技場

 

 

ドイツ人のオリンピックへの関心

 

オリンピック開催地への挑戦が意外と多いことがわかりましたが、ドイツの一般市民はオリンピックへの思い入れがそこまであるわけではないようです。

今回のオリンピックに際し調査したアンケートによると、世界8カ国(ドイツ、オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、イタリア、スペイン、メキシコ、米国、英国、アラブ首長国連邦)の中で、ドイツ人のオリンピックに対する関心は35%と最も低く、18歳から24歳の若年層においては、多少関心があると答えたのは27%に過ぎませんでした

関心が高かった国ベスト3は、イタリアの53%、メキシコ52%、オーストラリア52%という結果でした。

他国と比べるとドイツ人の関心が格段に低いのがわかります。

 

一般市民のオリンピックへの関心の低さのみならず、そもそも国民は、オリンピック招致に対する疑念も大きく、経済的負担の大きさ、環境保全といった理由からの反対意見が多くみられるようです。

さらにドイツにおけるオリンピックは、ナチス政権下にプロパガンダとして利用された1936年のベルリン夏季オリンピックや、1972年ミュンヘンオリンピック開催中に起こった「ミュンヘンオリンピック事件」といわれる残忍なテロ事件などの黒い歴史があるため、オリンピックへのネガティブな見方が強いのかもしれません。

 

このような背景がありつつも、ドイツ政府は、ベルリンオリンピックが開催された1936年からちょうど100年となる2036年、そして2040年のベルリンでのオリンピック招致へ乗り出すというニュースもでています。

オリンピックは果たして平和の祭典といえるのか―など昨今、オリンピックの開催には様々な批判がされていますが、スポーツが与える熱狂と感動を純粋に楽しめたらいいですよね。

 

 

 


参考HP

 

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