ドイツ人とダジャレ
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ドイツ在住の日本人にとって、恋しいものナンバーワンはもちろん「日本食」だと思いますが、次に「お風呂」で、その次くらいに「お笑い」が入るのではないでしょうか(と関西出身の私は勝手に思っています)。
少し前までは、日本からお笑いのDVDを送ってもらったりしていましたが、今はYouTubeやストリーミングでドイツに居ながら日本のお笑いが気軽に楽しめる時代。
本当に嬉しい限りです。
さて、ドイツは日本と比べると「サービス砂漠」であることは知られていますが、関西出身の私は、ドイツに来た当初、真面目な顔をしたドイツ人をみて「ここはお笑い砂漠」ではないかと思っておりました。
しかし、ドイツ生活が長くなるにつれ、ドイツのユーモアにも地域差があり、例えば「カーニバル文化」が古くから根付いているケルンやマインツ、デュッセルドルフなどのライン川沿いの地域は、人々が陽気でよく笑う傾向があること、また北ドイツに行くと、悪天候が多いためか、人々は「クール」で、北ドイツのジョークはやや特殊でドライであること等が徐々に分かってきました。
ダジャレは、やはりその国の文化や言葉の影響を大きく受けるため、外国人がすぐに理解するのは難しいかもしれません。
今回は、ドイツのダジャレをいくつか紹介しますね。あなたはいくつ笑えますか?
初級編 あなたはこのダジャレで笑えますか?
„Wenn ich meinen Hund frage, wie ich aussehe, sagt er WAU. Deswegen liebe ich ihn.„
これで「クスっ」と笑えた方は、おそらくドイツ語の初級レベルの知識はある方ではないでしょうか。
訳してみると、「私はどんな風に見える?と自分の犬に尋ねたら、WAUと言ってくれた。だから自分の犬を愛している。」となります。
ここで注目したいのは、ドイツでは犬の吠え声は「ワンワン」ではなく、「WAU WAU」であり、発声すると英語の「WOW」という感嘆の表現に近くなります。
このことを知っていると、「クスっ」と笑えたかも?いずれにしても、犬好きには嬉しいダジャレですね。
中級編 あなたはこのダジャレで笑えますか?
„Wieso können Deutsche kein Schach spielen?“
„Weil ihre Züge zu spät kommen.“
このダジャレに「苦笑」された方は、おそらくドイツに滞在した経験がある方ではないでしょうか。
訳してみると、「なぜドイツ人はチェスができないの?」「なぜなら、ドイツの電車(Zug)はすごく遅れるからさ。」
「どういうこっちゃ?」と思われるかもしれません。
ドイツ語の「Zug」には、「電車」以外にもチェスなどの「指し手」という意味があり、これは言葉で遊んでみたダジャレです。
しかし、近年のドイツ鉄道のダイヤの乱れは本当に酷いので、実際にドイツ鉄道に乗って痛い目にあったことがある人にとって、これは「苦笑」どころか「笑えない」ダジャレかもしれませんね。
それにしても、なんてベタなジョーク(笑)。
ちなみに、このように同じ単語で違う意味を持つ言葉を使ったダジャレをKalauerとかFlachwitzeと呼ぶそうです。
上級編 あなたはこのダジャレで笑えますか?
Der Pauschaltourist bekommt zum Frühstück einen winzigen Klecks Honig.
„Ach, wie ist das möglich“, fragt er die Serviererin, „eine Biene haben Sie auch?“
ここまでくると、なかなかの上級編です。訳してみると、『パッケージツアーに参加した客の朝食にごくわずかな蜂蜜が出された。「まあ、こんなことがあり得るの?」と客はウェートレスに尋ねた。「ミツバチもあるのですか?」」
「どこが面白いねん!」って突っ込まれるかもしれませんが、「Pauschal(すべて込み込み)のツアーに参加した客が、「ミツバチまでツアー内容に含まれているの?」と驚いているという、団体旅行客を皮肉ったジョークです。
このジョークは、ドイツで数々の著書を執筆したVera Birkenbihlさん(2011年没)のもの。
彼女はすでに亡くなられていますが、その皮肉あふれる彼女のユーモアは、現在でも根強い人気があります。
彼女のジョークの一部はhttps://www.birkenbihl.com/category/tages-witze/deutsch/
から読めるので、ドイツの上級者向け(?)「シニカルな笑い」を知りたい方は是非ご覧になってください。ドイツ人をより理解するのに、きっと役立つはずです!
参考ウェブサイト
https://dein-sprachcoach.de/deutsche-witze/
https://www.birkenbihl.com/birkenbihl-witze/
大阪育ちの日本人。ベルリン自由大学卒業。現在ドイツ・コブレンツ在住。趣味は山登り、テニス、アスリート飯作り。担当する新シリーズ「住んでみてわかったドイツ」では、ドイツ居住歴16年の経験を生かして、現地からの生情報をお伝えしたいと思います。皆様からのリクエストや感想もお待ちしてます!
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