Liebe
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以前は好きな人に告白する手段として、「直接会って思いを伝える」のほか、「ラブレターを渡す」というのも普通の手段でした。
今はSNS時代の到来によってLINEなどで自分の気持ちを伝えるケースも一般的になってきてますよね。
デジタル時代の今、ドイツでもデジタルな方法で告白する人が多いようです。
しかし、ラブレターというのは、メールやLINEでの告白手段よりもずっと長い歴史を持っています。
日本でも平安時代には自分の気持ちを和歌にして相手に贈るという風習がありましたよね。
ラブレターは文化財
ドイツのコブレンツ大学の図書館にはLiebesbriefarchive(ラブレター記録保管所)というユニークな研究施設があります。
「ラブレターは文化財」であると考える同大学の言語学者が提案したもので、そこでは1997年から、書簡だけでなく、EメールやSNSメッセージによる恋文が約25000通も記録保管されています。
この記録保管所で保管されている一番古いラブレターはなんと1715年の書簡だそう。
そこにはロッテさんという女性に惚れ込んだ男性が「Ein göttliches Feuer strömt in meinen Adern, reißt mich hin, wirft mich zu den Füßen meiner Göttin nieder」と相手への溢れ出る思いをつづっています。
日本語に訳すと、「神の炎が私の血管の中で流れている。私は我を忘れて、私の女神の足元にひざまずく。」という感じでしょうか。
なるほど、今から300年くらいの昔には、恋文に「女神」とか「神」とか使っていたんですねえ。
文学的というか、ずっしりと重い感じがしますが、ついつい当時の時代背景にも思いを巡らせてしまいます。
このように、ラブレターというのは当時の日常文化やドイツ語を知る貴重な資料であるため、コブレンツ大学のラブレター記録保管所では、屋根裏部屋で眠っている祖父母などの古いラブレターが残されている場合は貴重な研究資料として喜んで寄付を募っているそうです。
もちろん、昔のラブレターだけでなく、最近のデジタル形式の告白メッセージも寄付できます。
また2021年からは文化学・社会学の研究として「シチズン・サイエンスプロジェクト」も始まり、大学の研究関係者だけでなく、希望する一般人も参加して、収集されたラブレターの分析や研究、電子化を共同で行っているそうです。
ラブレターを貰ったら、捨てずに残しておかないといけませんね!
恋人のことをどう呼ぶ?
ところで恋人に対して、ドイツ人はどう呼びかけているんでしょうか?
最もポピュラーなのは「Schatz」や「Schatzi」です。
この呼び方は19世紀にはどうやら定着していたようです。
その他、「Engel(エンジェル)」、「Süße (スウィート)」、「Liebling(あなた)」といった愛称も一般的です。
でも、ちょっと驚くのが、恋人に愛情をこめて動物名で呼びかけることも多いということ。恋人につける動物名には「Hase(うさぎ)」、「Maus(ねずみ)」、「Spatz(すずめ)」、「Bär(くま)」などのバリエーションがあります。
「うさぎちゃん」なら分かるけど、「ねずみちゃん」、「くまさん」って(笑)、動物園か!
こういった典型的な愛称のほか、自分でクリエイティブに愛称を考え出すドイツ人も増えていて、なかには「Hexe(魔女)」、「Töffel(まぬけちゃん)」とか「Dickerchen(おデブちゃん)」など、本当にこんな風に呼ばれて嬉しいの?と首をひねりたくなることも(笑)。
でも総じてドイツ人は愛称に満足している様子です。
あなたなら、ドイツ語でどのように呼ばれてみたいですか?
参考ウェブサイト
https://de.wikipedia.org/wiki/Kosename
大阪育ちの日本人。ベルリン自由大学卒業。現在ドイツ・コブレンツ在住。趣味は山登り、テニス、アスリート飯作り。担当する新シリーズ「住んでみてわかったドイツ」では、ドイツ居住歴16年の経験を生かして、現地からの生情報をお伝えしたいと思います。皆様からのリクエストや感想もお待ちしてます!
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