ドイツのミネラルウォーター
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ドイツを初めて訪れた日本人は、ドイツのレストランでは飲料水がタダでないこと、そしてミネラルウォーターにシュワシュワの炭酸が入っていることに驚かれることでしょう。
ドイツに限らず、他のヨーロッパの国々でもそうなのですが、ミネラルウォーターと言えば、炭酸入りが一般的です。
炭酸入りミネラルウォーターが苦手な人は、レストランやスーパーで「Stilles Wasser(無炭酸水ミネラルウォーター)」を選びます。
炭酸入りミネラルウォーターは、源泉水にわざわざ炭酸を入れている訳ですが、ドイツ人は一体なぜ炭酸入りミネラルウォーターを好んで飲むのでしょうか?
炭酸入りミネラルウォーターVS無炭酸ミネラルウォーター
炭酸入りミネラルウォーターは、そのシュワシュワした炭酸のおかげで、飲む時に爽快感が味わえ、リフレッシュできる飲み心地が特徴です。
特に空気が乾燥したヨーロッパでは、炭酸入りミネラルウォーターの方が、もっと水を飲んで、しっかり水分を摂ろう!という気になれます。
私もドイツに来た当初は、炭酸入りミネラルウォーターは苦手でしたが、慣れてくると、無炭酸ミネラルウォーターでは物足りなさを感じるようになってしまいました。
水道水もミネラルウォーターにも、他の食品や飲料と同じく、ある程度の微生物が含まれている訳ですが、炭酸入りミネラルウォーターの場合、炭酸のおかげでミネラルウォーターに含まれる微生物が検出される頻度が少ないと言われています。
このため、無炭酸ミネラルウォーターと比較して、保存期間も長くなるというメリットがあるそうです。
独立した機関として、消費者に代わってさまざまな商品やサービスをテストしてランク付けしてくれるドイツのStiftung Warentestによると、微生物が検出されるのは、無炭酸ミネラルウォーターの方が、炭酸入りミネラルウォーターと比べて頻度がやや高いということです。
といっても、これら微生物は健康な人にとって害を及ぼすような危険なものではないそうで、病気の原因となる病原菌は、炭酸入りミネラルウォーターにも無炭酸ミネラルウォーターにも検出されていないとのことなので、どちらも安心して飲むことができます。
天然のミネラル成分が豊富
ドイツの水は硬水であるため、炭酸の有無に関係なく、ドイツのミネラルウォーターにはカルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、塩化物、硫酸塩などの天然のミネラルが軟水よりも豊富に含まれています。
ちなみに私が普段飲んでいるミネラルウォーターは、「ゲロルシュタイナー」ですが、ラベルに記載されている成分表を見ると、1リットルあたり、カルシウム 348mg、ナトリウム 118mg、マグネシウム 108mg、塩化物 40mg、硫酸塩 38mg、カリウム 11mgが含まれています。
どの岩石層から採れる源泉なのかによって、ミネラルウォーター中のミネラル含有量が異なるため、メーカーによって差があります。
ミネラル成分が豊富に含まれているミネラルウォーターは、特にスポーツ等で汗をかいた後の水分補給やナトリウム補給にピッタリですね。
ちなみにドイツの水道水は衛生的で安全であるため、飲むことができます。
水道水も硬水なので、ミネラル成分が含まれていますが、さすがに炭酸は入っていないため、水道水に二酸化炭素を注入できる装置が売られています。
市販の炭酸入りミネラルウォーターをわざわざ購入する必要がなくなるので、こういった装置を使って、家で手軽に水道水を炭酸入りウォーターにして飲んでいる家庭も多いです。
ところで、炭酸入りミネラルウォーターは、料理にも使うことができます。クレープやパンケーキ、カイザーシュマレン(ドイツの卵入りパンケーキの一種)の生地を作る際に、水道水の代わりに炭酸入りミネラルウォーターを使うと、生地が柔らかく、本当にふわふわに美味しく仕上がるので、うっかりベーキングパウダーのストックを切らしてても、その代替として使えますよ!
参考ウェブサイト
大阪育ちの日本人。ベルリン自由大学卒業。現在ドイツ・コブレンツ在住。趣味は山登り、テニス、アスリート飯作り。担当する新シリーズ「住んでみてわかったドイツ」では、ドイツ居住歴16年の経験を生かして、現地からの生情報をお伝えしたいと思います。皆様からのリクエストや感想もお待ちしてます!
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