ドイツでギリホリ申請にチャレンジ!
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初めまして、F. u .Eです!今回からブログシリーズ『ワーホリで行ってみたドイツ』を担当することになりました。ブログ執筆は初挑戦なのであまり上手には書けませんが、現地からこのご時世ならではのホットな最新情報をお届けしたいと思います。
さて、私は2022年4月からドイツ・デュッセルドルフに滞在しています。本当はもっと早く来たかったのですが、コロナ禍に加えてウクライナ情勢の緊迫度が増し、二の足を踏んでいるうちに出発が遅れてしまい、おかげで出発前に日本国内でワーキングホリデービザを申請する機会を逸し、ドイツで現地申請することになりました。計画性がないだけでは?と思われるかもしれませんが、そこはご容赦ください。
さてコロナ規制も緩和され、そろそろワーキングホリデーを利用して渡独を計画している方も多くいらっしゃると思いますし、それでもウクライナ情勢などの不安定要素もあってどうしたものかと悩んでいらっしゃる方も少なからずいらっしゃると思います。そんな方々にとって私の直近の体験が少しでもお役に立てればと願いつつ、今回から全4回にわたり私のドタバタギリホリ体験記をお伝えしたいと思います。拙筆ながら精一杯努めさせていただきますので、皆さんどうぞよろしくお願いします。
ギリホリ申請をしよう!
ワーキングホリデービザ制度は、3ヶ月以上1年以内の期間であればドイツ滞在中に様々な職場で働くことができる制度ですが、実はこれには年齢制限があって、申請できるのは18歳から30歳までです。つまり31歳の誕生日まではビザ申請ができるのですが、ラストチャンスの30歳になって期限ギリギリでワーホリに行くことを「ギリホリ」と呼びます。
ギリホリにかかわらず一般にワーホリを申請するには、大きく分けて2つの方法があります。まずは出発前に在日ドイツ大使館や領事館で申請し取得する方法です。多くの方は、この方法で取得するのではないでしょうか。そしてもうひとつが、ドイツの外国人局で現地申請する方法です。ただしご存知の方も多いかと思いますが、ドイツでビザなしで滞在できる期間は3カ月なので、その間に申請をする必要があります。
今回、私は現地申請を行いました。理由は先ほど述べたように、コロナ禍とウクライナ情勢の悪化で航空券の購入を見合わせていくうちに、チケットを買った時点ではもう日本でのビザ申請が間に合わなくなってしまったからです。
とにもかくにも、私は2022年の4月中旬にビザなしで日本を飛び出しました。ウクライナ情勢の影響でロシア上空を飛べない遠回りの飛行コースをたどり、乗り継ぎを経て、ようやくドイツにたどり着きました。そして、ドイツに着いて私が最初に着手したのは、ワーホリビザの申請ではなく、Wohnungsuche、つまり家探しでした。現地でビザを申請するには、まず家を探して住民登録をしなければいけません。ドイツにいる友人のWohnungに転がり込んで、部屋探しを始めたところ、幸い1週間ほどで手頃な部屋が見つかりました。これで幸運にも、住民登録という第1のミッションは早々にクリアできました。
情報集めをしよう!
コロナ禍やウクライナ危機の影響で、特に役所の手続きなどには、時間がかかったり制限があったりします。なるべく早くビザ申請までこぎつけたかった私は、部屋探しをしながらも、同時進行でワーホリビザを外国人局で申請する方法をネットであれこれ調べていました。
でもデュッセルドルフ市のサイトを読んでも、ワーホリについての詳しい情報はありませんでした。やはり日本でビザ取得をしてから渡独をしたほうが圧倒的に楽なので、日本での申請方法に関する情報は沢山あっても、意外と現地申請の情報は少ないのです。ましてやコロナ禍+ウクライナ危機の真っ只中でワーホリ申請している人の情報なんて全然見つかりませんでした。
さらに色々と調べている中で掲示板に気になる投稿を見つけました。それは「現地外国人局にて30歳でワーホリ申請をしに行ったところ、年齢を理由に断れた」というものでした。外国人局との詳細なやりとりの記載はなかったので、具体的にどのように拒否されたのかは不明でしたが、ドイツの役所のお役人であれば、もしかしたら認識の違いなどでそういう対応をされてしまう可能性はゼロではないかも・・・それにこういうご時世だからこれまでとは対応が変わっているのかも・・・などと不安を募らせ、かなり焦ってしまった私は、ビザ取得を目指して、ビザ申請作戦の3パターンを練り上げました。
①外国人局とのバトルを覚悟でそのまま外国人局へ強行申請
②近隣国のドイツ領事館などでの申請
③ワーホリではなく、語学学校ビザなどへの切替え
作戦③は、もともと数か月ほど語学コースに通う予定もあったので、念のため語学学校ビザが取得できるか確認を取っていました。ただし語学学校ビザでは働けないので、こちらはワーホリビザを取得できなかったときの最終手段です。
作戦②に関しては、最初にワーホリ申請方法は2通りあると述べましたが、実はドイツ近隣国で申請するという方法もあり、実際にドイツ大使館のワーホリ申請要綱にも記載があります。念のため、ひとまずオランダのアムステルダムのドイツ領事館に問い合わせをしてみたところ、回答としては「申請はできるが、申請日の予約がいっぱいでかなり待つことになる」とのことで、日本の在日ドイツ大使館での申請と同じような状況でした。その他の国の予約状況を確認しましたが、ビザ申請と受取りのために2回も現地に赴かなければならず、そのために交通費や時間をかけるのは馬鹿らしい・・などと考えながらもとりあえず選択肢の一つに加えました。
直接訊いてしまおう!
順序としてはやはりまず作戦①を進めていこうと考えたのですが、いきなり書類を持ち込んでバトルするのも面倒だと気付き、無用な戦いを避けるべく、まずはデュッセルドルフ外国人局のHPに記載のメールアドレスに事前問い合わせをすることにしました。もともと私がネットで調べた現地での申請方法(日本人によるもの)に関する情報では、必要書類をすべて用意し、申請したい日に早朝から外国人局に並んで申請まで待つというものがほとんどでした。ただコロナ禍でルールが変わっている可能性があるのと、先ほどの「拒否された」という投稿が気になっていたので念のため確認する意味もありました。
メールの内容は「現在私は30歳で、貴局にてワーホリの申請をしたいのですが、最近、30歳でワーホリ申請する場合に、申請がスムーズに運ばないことがあるという話を聞きました。私がワーホリ申請する上で実際に何か問題はありますか?5月中には申請を行いたいのですが」などなどです。少し強気な感じで書きましたが回答はあまり期待していなかったので、後日電話をする覚悟でした。しかしなんと2日後に外国人局から返信をもらえたのには驚きました。返答は「あなたの場合は、まず必要な書類をすべてPDFで送ってもらってから、対応することになります。それがすべて確認できたら、申請日の予約ができます」とのことでした。「問題ないですよ~」とは書いてありませんでしたが、まぁ申請自体は受け付けてもらえるのだろうと解釈し、元来楽観主義的な私は作戦②、③をあっさりと捨て、当初の作戦①に一本化することに決めました。今となっては悩まずにすぐに外国人局に問い合わせすれば良かったのに、と当時の自分に少し呆れてしまうのですが、色々といっぱいいっぱいだったので、仕方がないと言い聞かせています・・・。
注:提出した書類の一部です
そうして後日指定された書類をすべて外国人局に送付すると、すぐに申請日時指定の連絡が来ました!指定日はおよそ1週間後です。私が想定していた外国人局担当者との壮絶なバトルとは全く違い、拍子抜けするほど対応が素早く丁寧?なことに少し戸惑いながらも、無事に申請する機会を得ることができホッとしました。
同時に私は、事前問い合わせなしに無謀に外国人局に突撃しなくてよかったと心底安堵しました。
いざ外国人局へ!
そして申請日当日、私の申請時間は朝9:00に指定されていました。念のため20分ほど早く到着し指定された建物の入り口前で待機しました。申請するビザの種類によって違うのか不明ですが、別の建物の前には長蛇の列ができているのに、私が待っている建物には誰も来ませんでした。今まで調べに調べた申請方法は全く参考にならず、不安ばかりで何度もメールの文面を確かめました。しかし何度読み返しても間違っていないのでおとなしく待ち続け、ようやく9:00になると、すぐに担当者が迎えに来てくれました。「F. u .Eさん?どうぞ入って!」と名前まで呼んでもらえて、なんとnettな対応なんだと感動しつつ、行列に並んでいる人たちをよそに建物内に入り、そのまま手続きをするデスクに案内されました。
この日さらに持参するように言われていたものは、パスポートとビザ申請用の写真です。それらを担当者に渡して、短く質問や再確認をされた後、申請はあっけなく終了しました。時間としては20分くらいでしょうか。
ビザのカードが出来上がるのは、やはりコロナ禍+ウクライナ危機の影響で通常より時間がかかるそうです。6週間くらいかかるかもと言われました。最後に、ビザ作成完了通知が郵便で届くので、郵便ポストには必ず自分の氏名を記載しておくこと、またそれが届いたらビザを受け取りに来るようにと言われました。その際の、受取り日時の予約は不要だそうです。やはり通常よりも結構時間がかかるなと思いましたが、その日から有効な「仮ビザ」のような紙ぺらをもらえたので、これでひとまず代用ができるそうです。
実は、このブログはここまでの予定だったのですが、ブログの校正中にビザ作成完了通知が届くという予想外の展開となり、つい先日ビザの受け取りに行ってきたので、受取りについても少しお話したいと思います。
結果としておよそ4週間で届いたので、聞いていたよりも早かったです。受取りのため、お昼過ぎに外国人局に向かうと、警備員のような男性に「Abholung?」と聞かれ、そうだと答えると列に並ぶように指示されました。予約は不要でしたが、窓口が1つしか開いておらず、30分ほど待つことになりました。窓口ではパスポートの確認と質問を少しされ、10分弱でビザを受け取ることができました!これで晴れてワーキングホリデービザ獲得です!
こんな感じで、私の現地でのギリホリ申請オペレーションはなんとか無事に終了しました。私の場合、ビザ取得を目指し3つの大作戦を練り上げてのぞんだビザ申請でしたが、結果的には外国人局での手続は思っていたほど面倒ではなく、むしろ拍子抜けするほどスムーズに終わりました。これはあくまで私の体験なので、必要な書類や申請に関する疑問点は、各地域の外国人局へ直接訊いたほうが確実ですが、もしいまドイツ現地でのワーホリ申請をご検討している方がいらしたら、少しでも私の記事が参考になってくれれば幸いです。
少しハラハラドキドキの申請でしたが、私にとってはちょっぴり楽しく刺激的な体験でした!良い思い出になりそうです。
参考URL
- ワーキングホリデー・ビザ – ドイツ外務省 (diplo.de): https://japan.diplo.de/ja-ja/service/wh/957786
シューマンをこよなく愛する東京出身の日本人。ドイツのクラシック音楽に興味をもったことがきっかけとなり、大学でGermanistikを勉強し、5年間の社会人経験を経て、現在はデュッセルドルフにてワーホリ滞在中。久しぶりのドイツに戸惑うことも多いですが、ワーホリ取得やドイツでの生活にまつわるホットな情報を皆さんにお伝えできればと思います。ドイツ滞在中は趣味の音楽鑑賞とドイツミステリー文学漁りにも手を伸ばしたいと思っているので、おススメなどありましたらぜひ情報をお寄せください!