シュタイフ社のテディベア
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ぬいぐるみの定番のひとつといえばクマではないでしょうか?
そう、ドイツ発のシュタイフ社のテディベアといえば世界で一番ともいえるブランド。でもテディって一体なんのこと?どうしてドイツで生まれたのでしょう?今回はドイツ生まれのテディベアの秘密に迫ります。
ドイツ?アメリカ?テディベア発祥の地
テディベアの発祥についてはアメリカ説とドイツ説があります。テディベアのテディとは、第26代アメリカ大統領であったセオドア・ルーズベルト(1858-1919)に由来しています。熊狩りを趣味としていたルーズベルトは、1902年、熊狩りの場で獲物を仕留める機会がなく、同行した仲間が彼の前に瀕死の子グマを差し出したものの、ルーズベルトは狩りの精神に反するとして子グマを逃がしました。このエピソードがワシントンポストで風刺画と共に取り上げられ、子グマが大統領のシンボルとなり、さらにはアメリカのアイデアル社によってルーズベルトの愛称であるテディ(セオドア/Theodoreの愛称)という名のクマのぬいぐるみが誕生したという経緯があります。
時を同じくして19世紀末1887年、ドイツのシュタイフ社は、マルガレーテ・シュタイフによって最初は洋裁店(フェルト・メール・オーダー・カンパニー)としてスタートし、子供服や女性服を製作販売しており、1880年にはゾウのぬいぐるみが子供たちのために作られ大人気となり、1902年にはマルガレーテの甥であるリチャードの提案で、ペットと家族の中間に位置するような存在のおもちゃとして、本物のようなクマのぬいぐるみが考案・製作されました。翌年の1903年にライプツィヒの見本市に出品されたこのクマのぬいぐるみはアメリカ人バイア―の目にとまり3000体の受注を受け、シュタイフのぬいぐるみはアメリカでも一躍有名になったのです。
シュタイフのクマのぬいぐるみとアメリカ発のクマのぬいぐるみが、時を同じくして流行したのは興味深いですね。
シュタイフ社のぬいぐるみの耳に打ち付けられている、世界一古い商標(トレードマーク)と言われているボタン
世代を超えて シュタイフのテディベア
世界的に有名なブランドに成長したシュタイフ社は南西ドイツ、バーデン=ビュルテンブルク州の小さな町ギンゲン(Giengen)に本社を構えています。シュタイフのテディベアは、一体一体、職人の手によって生み出されており、ドイツ的なクラフトマンシップに支えられています。テディベアは、子供のおもちゃとしてのみならず、コレクターたちの収集対象にもなっているため、目を見張るような値がついている製品も存在します。世界で一番高いテディベアのひとつといわれているのは、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションで、シュタイフのテディベアがルイ・ヴィトンのホログラム柄のコートを着ているものです。このテディベアは2000年モナコでのオークションにおいて、なんと210万ドルで競り落とされました。(日本円で約2億7500万円)ちょっと信じがたい数字ですが、シュタイフとヴィトンというブランド力の高い二つのメーカーの貴重なコラボ商品だからなのでしょう…。
親から子へと受け継がれるほどに愛されているシュタイフのテディベアは、2022年に120歳の誕生日を迎えました。ドイツ生まれのテディベア。おうちに一体いかがでしょうか。
参考HP
- シュタイフ公式HP https://www.steiff.co.jp/teddybear/
- Steiff https://corporate.steiff.com/de/
- Teddy Baer Wikipedia https://de.wikipedia.org/wiki/Teddyb%C3%A4r
- Die 10 wertvollsten Bären von Steiff Catawiki https://www.catawiki.com/de/stories/4021-die-10-wertvollsten-baren-von-steiff
- テディベアの歴史 日本玩具文化財団
- THE MOST EXPENSIVE TEDDY BEAR Luxury Topics
https://www.luxurytopics.com/luxury-toys/fancy/the-most-expensive-teddy-bear
これまで【日本人からみると不思議なドイツ事情】、【ものづくりの国ドイツ】を担当してまいりました、HHです。京都生まれ。ドイツ・フライブルク大学卒。留学中に得た経験をもとに、独自のアンテナを張って様々な側面からみたドイツをお伝えしていきたいと思います!皆さまのドイツ文化に関する興味・関心、ブログの感想もぜひ聞かせて下さいね。
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