ドイツのテレビ事情 テレビ番組編
目次
以前ドイツのテレビ事情についてお伝えしましたが、今回は実際のテレビ番組についてお伝えいたします。チャンネルの数は?受信料ってあるの?そしてどんな番組が好まれているの? などの疑問にお答えします。
ドイツの公共放送
ドイツの公共放送局は、1950年に9つの州の公共放送協会が集まって創設されたドイツ公共放送連ARD(Arbeitsgemeinschaft der öffentlich-rechtlichen Rundfunkanstalten der Bundesrepublik Deutschland)と、1963年にマインツを拠点として開局されたZDF(Das Zweite Deutsche Fernsehen)の2局があります。ARDは、Das Erste(第一ドイツテレビ)を筆頭に、Tagesschau24, Einsfestivalなどのチャンネルを9つの州で共同運営しており、ZDFとも共同で、Arte, Phoenix, KiKAというチャンネルを運営しています。ARDとZDFでそれぞれ運営するチャンネルを合わせると20チャンネルに及ぶそうです。ドイツには、1980年代までこの2つの放送局しか存在していなかったのですが、その後は商業向けの民間放送局やケーブルテレビも増えて、今日では数えきれないほどのチャンネルが存在しています。
そして、ドイツのテレビ放映には、日本のNHKと同じように受信料の支払いが義務付けられています。この受信料の徴収は、2012年までは専門機関である視聴料徴収センターGEZ(Gebühreneinzugszentrale)によって行われていましたが、2013年に放送負担金制度として見直され、現在はARD ZDF ドイチュラントラジオ視聴料サービス(ARD ZDF Deutschlandradio Beitragsservice)によって徴収されています。GEZによって受信料が徴収されていた時代は、検査官が突然各戸を訪問し、テレビの所有を家の中まで確かめられることまであると聞き、NHKの徴収以上に怖そうだ…と震え上がったことがあります。
日本人には退屈?ドイツのテレビ番組
ドイツのテレビ放送の映画やスポーツ番組は、コマーシャルなしに放映されており、CMは夕方の決まった時間にまとめて放映されているそうです。番組は主にニュース、ドラマ、トークショー、オーディション番組など、オーソドックスな感じがしますね。ドイツ人に好まれている番組で有名なものといえば、Tatortというドラマは定番だそうで、日曜夜20時にテレビの前で家族や友人たちと一緒に見る…というのがドイツの団欒だ!と聞かされたこともあります。
日本のアニメ番組も人気のコンテンツです。少々古いデータになりますが、2008年の調査によると、地上波で放映されている日本のアニメ番組は年間1680時間で、これは1日平均4時間半放映されていることになります。あと何故か昔の日本の番組、『風雲!たけし城』がとても人気で驚きました。(2019年にも新しいシリーズがドイツで放映開始となったそうです。)
でも、ドイツ在住の日本人からは、ドイツのテレビってつまらないよね…という声をよく耳にします。これは言語の問題なのでしょうか?例えばアメリカのテレビ番組だと、エンターテイメント性も高く、言語に関わりなく面白いと個人的には思いますが、ドイツのテレビ番組はたしかに単調な印象も受けますね。日本のバラエティ番組が過激すぎるのかもしれません。しかし、ドキュメンタリーやニュースは日本と比べると、質の高い情報が得られるのではないでしょうか。
ドイツの放送局のウェブサイトではライブストリーミングも運営されているので、ドイツ語学習にも好適ですし、最新のドイツ情報やトレンドを知ることもできるので、一度試してみてはいかがですか?
参考HP
- ドイツ公共放送連盟 Wikipedia
- 動画配信時代のドイツの放送動向
- ドイツにおけるコンテンツ市場の実態 JETRO
- https://www.jetro.go.jp/world/reports/2009/07000040.html
- Die 20 beliebtesten TV-Sendungen der Deutschen. Welt
これまで【日本人からみると不思議なドイツ事情】、【ものづくりの国ドイツ】を担当してまいりました、HHです。京都生まれ。ドイツ・フライブルク大学卒。留学中に得た経験をもとに、独自のアンテナを張って様々な側面からみたドイツをお伝えしていきたいと思います!皆さまのドイツ文化に関する興味・関心、ブログの感想もぜひ聞かせて下さいね。
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