ドイツのテレワーク事情

新型コロナの世界的な感染拡大が始まって早1年半が経ちました。我々の生活にも、感染防止のために多くの新しい習慣や規則が導入されてきましたが、テレワークはその中でも大きな変化のひとつですね。ドイツでは約半年ほど続いたロックダウンも解除され、徐々に規制緩和が進んでいる最中ですが、コロナ禍の元で、どれくらいテレワークは浸透してきたのでしょうか?

テレワークが進むドイツ

 

コロナ禍直前2019年のドイツ連邦統計局の調査によると、ドイツのテレワーク勤務をしている人は、就業者全体の12.9%で、そのうち5.5%が毎日又は勤務時間の半分を在宅勤務、残りの7.3%は勤務時間の半分以下を在宅勤務に割いており、これはヨーロッパ内においては低めの数値ですが、これまでドイツでは、出社する意義が大きく評価されてきたともいえます。(2017年の統計ではオランダ37.5%、ルクセンブルク33.8%、スウェーデン33.2%、デンマーク30.9%の普及率)

しかし最初のロックダウンが実施された2020年4月においては全体の27%の人々が在宅勤務へと移行しました。ロックダウンによる規制では、雇用主は、業務遂行上可能な場合、従業員に在宅勤務をさせるよう義務付けられ、従業員も、正当な理由がない限りは在宅勤務を受け入れることを義務付けられることになりました。

その後、ロックダウンが解除となって規制緩和が進みましたが、感染者が再び増加し始めた11月の在宅勤務者の割合は14%、12月で17%、2021年1月には24%と増加しました。またインダストリー4.0と称したプロジェクトによってIoTを進めてきたドイツの製造業界でも、このコロナ禍をきっかけにテレワーク化が進んでいるのも大きな変化のようです。

 

将来的にテレワークは根付くのか?

 

2021年6月現在においては、感染者の減少により規制緩和が拡がりつつあるドイツ。6月30日からは在宅勤務義務もなくなるため、今後どのように勤務体制が変化していくのかが注目されています。ドイツ社会民主党(SPD)、緑の党(Die Grüne)、ドイツ左翼党(Die Linke)は、在宅勤務の法的権利を要求しており、今後も推奨する立場にある一方で、連立与党(キリスト教民主同盟/CDU,キリスト教社会同盟CSU)とドイツ自由民主党(FDP)はその必要性を否定しています。ドイツのための選択肢党(AfD)においては、全てコロナ以前の体制に戻すことを主張しています。

2月に実施された、とある調査によると、ヘッセン州では約58%の人々が今後も引き続き在宅勤務を望んでおり、会社よりも快適で創造的に仕事ができると考えている人々も多いようです。ドイツの産業連合会Bitkomの予測調査では、完全在宅は2020年のピーク時に比べると大きく減少するものの、一部在宅は27%まで増加すると見通しています。


参考HP

 

 

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