ドイツの窓-換気にうるさいドイツ人
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日本とドイツ、違いは至る所にありますが、今回は「窓」にまつわる話をご紹介します。ドイツ初滞在で、窓の開け方に戸惑う人は、意外と少なくないようです。「窓が違う!開け方わからない!壊してしまった!?」日本の住居にある引き違いのサッシの窓とは違うドイツの窓。実はすごく優秀なのです。
ドイツの窓―ドレーキップ窓とは?
ドイツ国内の住居の約90%に採用されているという、通称「ドレーキップ窓」(Dreh Kipp Fenster)は、1つのハンドルレバーで、内開き(Drehen)と、内倒し(Kippen)の二通りの開閉方法が可能です。ハンドルを回して、窓を内側に全開にした内開き状態では、窓外側と周辺の掃除も楽に行え、またうち倒し状態は、窓の上部だけが傾く構造のため、常時換気が可能なうえに、構造上、外側から窓を開ける事はできないため、防犯面でも心配はありません。
しかしこのドレーキップ窓の一番の特徴は、何といってもその気密性にあります。窓枠全周囲に金物が巡らされているため、窓を閉じている時は圧力がかかるため、気密性、断熱性が高く、省エネ効果もバッチリです。真冬にはマイナス20度にもなるドイツだからこそ、必要とされ、開発、改善されて定着した窓ともいえます。というわけで、日本人には見慣れない開閉式ですので、最初は開け方に苦労する―というのは、「日本人のドイツ滞在あるある」のひとつではないでしょうか?
換気にうるさいドイツ人
さて、窓にまつわる事柄をもうひとつ。ドイツで実際に生活していて気付くのは、ドイツ人の換気への執念です。学校、オフィス、住宅など生活環境のあらゆる場面で、季節に関わりなく、1日に何度かは、窓を全開にして換気を行います。極寒の真冬でも、休み時間になると窓を全開にして、空気の入れ替えをする姿は、やはりどこか違う価値観があるのかなと思わせるほどです。確かに、ドイツ語の「Frische Luft」(新鮮な空気)は、ドイツ的な価値観と習慣を表しているのか、日常的によく耳にします。
しかし、気密性の高い窓と住宅構造にとっては、湿気も大敵。結露やカビへの対策の換気を十分に行ってこそ、家を守ることができ、また、居心地の良さが保たれると考えられているようです。さらに、コロナ時代の今日では、換気は、もはや世界中の新しい生活様式として、必要不可欠な時代となってしまいましたね…。
日本の建築はドイツに比べて30年遅れている…なんて揶揄されることもあるほどですが、ハンドル式の高機能で省エネに配慮されたドレーキップ窓は、確かに優秀で、日本でも商品化されているようです。
参考HP
- 「ドイツの窓」高性能断熱樹脂サッシ エーデルフェンスター
- ドレーキップ窓について 北欧ログ
- やっぱりドレーキップ窓は凄い!! – 松尾設計室
- 空気が悪いと何も始まらない ドイツ節約生活 サンドラ・ヘフェリン
これまで【日本人からみると不思議なドイツ事情】、【ものづくりの国ドイツ】を担当してまいりました、HHです。京都生まれ。ドイツ・フライブルク大学卒。留学中に得た経験をもとに、独自のアンテナを張って様々な側面からみたドイツをお伝えしていきたいと思います!皆さまのドイツ文化に関する興味・関心、ブログの感想もぜひ聞かせて下さいね。
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