2021年のカーニバルーコロナ禍で中止?

ドイツ最大級の祝祭ともいえるカーニバル、ファスナハト、ファッシング。ドイツ全土で行われる行事ではなく、ライン地方、南ドイツなどの限られた地方の祝祭ではありますが、ドイツ文化、風習が色濃く反映されている行事のひとつです。昨年は、新型コロナウィルスが徐々に迫りくる直前にカーニバルの日程があたっていたのでどうにか開催されましたが、さて今年は…?

仮面をしていても…やっぱりダメ? 
仮面をしていても…やっぱりダメ?

 

止まらない感染拡大、中止のカーニバル

 

キリスト教の祝祭であるカーニバル(謝肉祭)ですが、クリスマスやイースターのように、家族でゆっくり過ごす行事ではなく、イースターまでの46日間に亘る断食期間直前の一週間を、放埓に過ごす、いわば狂宴。仮装行列に山車から放り投げられるお菓子。謝肉祭中はとにかく人々は浮かれ、大騒ぎするのが目的です。

今年2021年のカーニバルですが、ハイライトを迎えるのは、2月11日の「脂の木曜日」(または「汚れた木曜日」)(Schmotziger Donnerstag)から、クライマックスの2月15日の「薔薇の月曜日(Rosenmontag)」を経て、二日後の最終日となる17日の「灰の水曜日(Aschermittwoch)」までの週となります。

しかし、既に2020年8月に、ドイツの保健相イェンス・シュパーン氏からは、2021年のカーニバルの中止が早々と要請されていました。というのも、新型コロナウィルスがヨーロッパ、そしてドイツで感染拡大した一因として、昨年2020年2月に行われたカーニバルも槍玉に挙げられているようです。密集した行列と見物客、期間中は様々な集会があり、居酒屋ではアルコールを飲んで大騒ぎするのがカーニバルの定番ですが、こうしてみると危険な要因ばかりですね…。

伝統を絶やさぬよう、様々な工夫

 

家族や友人に限らず、周りに居合わせた人々と陽気に騒ぐカーニバル。2021年は残念ながら中止ですが、カーニバルの雰囲気だけでも味わいたいと、人々は様々な工夫をしているようです。

例えば、12月に飾っていたクリスマスツリーを、カーニバルの象徴のひとつ、ナレンバウムという木に見立てて、風船や布などのカーニバルの飾りつけでアレンジして、少しでもカーニバル気分を楽しんでいます。また、ケルンのカーニバルは、人形劇を上演しているヘンネシェン劇場という伝統的な劇場の協賛を得て、人形版のカーニバルの行列映像を、カーニバル当日に放映する準備がされています。

様々なイベント、祝祭、風習が、コロナによって自粛や中止になりつつも、貴重な文化が廃れてしまわぬよう、形を変えて工夫しているようです。長い伝統を持つ祝祭は、今後どのように生き延びていけるのでしょうか。


参考HP

 

 

 

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