ドイツの離婚事情-離婚が簡単ではないドイツでもコロナ離婚?

総務省統計局の2018年の調査によると、日本の離婚率は1.7パーセント、一方ドイツでは2.0パーセントという結果がでています。ドイツの離婚率は2011年から年々減少傾向にありましたが、2019年は、前年に比べると1000組ほど増加しているようです。昨今は、コロナ離婚という言葉まで飛び交っていますが、これはドイツでも見られる現象のようです。とはいえ、ドイツの離婚は日本ほど簡単ではないようです。

簡単じゃない―離婚までのプロセス

 

ドイツでは、離婚する際の法的な手続きが一筋縄ではいきません。日本のように、離婚届に互いの名前を書いて役所に提出するだけでは成立しないのです。ドイツでの離婚は、まず1年間の別居期間が条件となります。(配偶者のDVや薬物中毒などの場合は特例として別居期間の条件は必要ない。また、消息不明の場合は、婚姻生活の破綻とみなされ、離婚が可能)

この別居期間を経た後に、双方が離婚に合意か、不合意かに関わらず、弁護士を立てた裁判が必要となります。ここで、養育費、年金調整、財産分与に関する事柄が決定されます。また、日本との大きな違いは、子供の親権です。ドイツでは、子供が18歳になるまでは両親による共同親権となります。これは合意の上であれば、どちらか一方のみへ親権が与えられることも可能です。そして、日本のように、不貞に対する慰謝料という法規定もありません。離婚の原因がどちらか一方にあり、その責任を負うという考え方がないようです。とはいえ、離婚理由としては正当な理由とみなされています。こうしてみると、離婚については、日本の制度や感覚とは全く異なる実態がありますね。

 

コロナ離婚-ドイツでもある?

 

コロナ離婚―新型コロナによる影響で、家で過ごす時間が長くなったことにより、夫婦間の関係も見直される結果、導きだされた答えとしての離婚は、コロナ離婚などと言われています。ドイツでも同じ傾向が見られるようで、別居期間が必要となるドイツでは、まだ明確には数値に表れていませんが、弁護士への相談件数や、別居件数については増加が確認されています。

この理由には二つの傾向があると分析されています。ひとつは、もともと別居していた夫婦たちが、コロナが引き金となって離婚に踏み切ったパターンと、同居はしていたけれど、離婚を考えていた夫婦たちが、新型コロナの影響による生活習慣の変化によって、離婚の決意を後押しされたというのが実情のようです。ドイツで離婚理由に挙げられるのは、配偶者の暴力、薬物・アルコール依存、不貞、借金、また愛情の欠落、性生活に関わる事柄、そして互いに共通項が見つけられず、すれ違いとなってしまった―などがよくある理由のようです。おおよそ日本と変わりないようにも見えますが、愛情の欠落という点に関しては、少々欧米的かなと個人的には感じました。

「紙切れ一枚」と比喩的に表現される結婚・離婚ですが、これは日本だけの話のよう。ドイツではそれどころの重みではないのが実情のようですね。


参考HP

 

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