ドイツの若者言葉大賞 2020

12月、日本では流行語大賞が発表され、その年のトレンド、世相を反映することばが発表されます。さて、ドイツでもLangenscheidt社主宰の若者言葉大賞(Jugendsprache des Jahres)が2008年から毎年選定、発表されています。今年は、初めてインターネット投票で行われ、投票数は100万以上にものぼりました。今年、ドイツの若者の間でトレンドとなったワードとは?

Jugendwörter des Jahres 2020 – 第1位 lost (48パーセント)

第1位に選ばれたのはlostです。英語からの借用ですが、ドイツの若者言葉の文脈では、何も知らない、あてにならない、優柔不断、計画がないなどの意味で使われています。48パーセントも得票したこの言葉、今年の新型コロナウィルスの感染拡大大によって、私たち自身が“lost”な状況であるのが反映されているのかも?という声も挙がっています。

類語:ahnungslos, unsicher, unentschlossen

 

 第2位 Cringe (28パーセント)

 

第2位にランクインしたのはCringeです。こちらも英語からの借用語ですが、元々の英語の意味は、すくむ、ぺこぺこする、諂うなどの意味ですが、スラングとして「ドン引きする」「イタい」などのニュアンスがあり、ドイツの若者言葉もこれに準じて、気まずい、バツの悪い、みていられないといった意味合いがあるようです。

類語:peinlich, unangenehm

 

 

 第3位 Wyld(28パーセント)

 

第3位はwyldです。英語、ドイツ語のwildから転じた言葉です。意味は、日本語スラングでいうならば「ヤバい」といったニュアンスの言葉。ドイツの若者たちがこぞって口にするKrass!Geil!の新バージョンといったところでしょうか。インターネットやSNSで拡散された表現のようですが、すごい!ヤバい!といった表現はどの国でも、若い世代が新しい表現を見つけていくのかな?と感じますね。

類語:krass, geil, intensiv

 

以上の3つが今年選ばれた若者言葉です。選出方法は3段階あり、まずいくつかの言葉が候補にあがり、そこからLangenscheidt社の審査員がトップ10を決め、その10個の候補の中からオンライン投票がされました。選択基準は、単語の拡散度、オリジナリティ、そして社会的かつ文化的な影響力の大きさで判断されるようです。

しかし実際には、出版社の審査員が決める若者言葉なんてナンセンスだ!という声や、ランキングに入った時点で、すでに流行遅れで誰も使っていない!という声も見かけました。このあたりも、日本の若者言葉の在り方と似ているのかもしれませんね?

語学教材では学べないドイツの若者言葉。ドイツ語の辞典でおなじみのLangenscheidt社やPONS社からも、ドイツの若者言葉辞典なるものまで出版されているので、機会があったら読んでみたいですね!


参考HP

 

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