ドイツの木製おもちゃ

ドイツのおもちゃといえば何をイメージしますか?ドイツのおもちゃ屋さんや、デパートのおもちゃ売り場を覗くと、レゴ、バービー、ミニカーなど日本と似たようなラインナップもありつつ、種類豊富なプレイモービル、シュタイフ社のぬいぐるみ、ボードゲームや木製のおもちゃといったドイツならではの製品も並んでいます。

なかでも木製のおもちゃは、日本でも人気があります。今回はドイツのおもちゃについてお伝えします。

温もりのある木製のおもちゃ

 

日本のおもちゃは、テレビアニメのキャラクターが商品化されたものも多く、素材もプラスチック製品が主流です。ドイツでももちろんディズニーキャラクターや、プラスチック製品もありますが、世界的な流行に流されることは少なく、伝統的な木製や布製などの自然素材を使ったものが長く愛されているようで、ドイツは独自の「おもちゃ」市場を築いているとの専門家の声もあります。有害な塗料や合成着色料、接着剤を使わず、シンプルなデザインは、高品質で長く使えるという点でも高い評価を得ています。また、クリスマスマーケットなどでも木製のおもちゃやミニチュアを売っている露店をよく見かけますが、なかにはおもちゃと言えども、子供のためだけではなく、大人にも愛される伝統工芸品と呼べるものもあります。

 おもちゃの村 ザイフェン

 

ドイツにはおもちゃの村と呼ばれる村も存在します。ドイツとチェコの国境、エルツ山岳地帯に位置している人口2500人ほどの小さな村ですが、くるみ割り人形や、写真のようなクリスマスピラミッドなどの産地であり、14世紀から17世紀までは錫の鉱山地としても栄えており、2019年には『エルツ山地工業地域』として世界遺産登録も果たしました。クリスマスピラミッドは、東京、日比谷のクリスマスマーケットで飾られていたこともあるので目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

ザイフェンは小さな村でありながら、人口の約半数はおもちゃに関わる生業を持ち、小さな工房は150件ほどあるそうです。おもちゃ作りは、鉱山が枯渇した17世紀以後に始まり、木材の有効利用として作られたクリスマスツリーのオーナメントやミニチュアを家族単位で生産しているとのこと。街にはおもちゃ博物館もあり、クリスマス時期には観光客で賑わいをみせるそうです。

自然な風合いを残した手触りのおもちゃはプラスチック製品とは違い、ちいさな子供の反応も良いと聞きます。大人にも愛されるエルツ地方の木製おもちゃも、手作業で丁寧に作られており、どこか懐かしい気持ちを呼び起こします。ひとつは手元に置いておきたいドイツ製品のひとつですね。


参考HP

 

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