ドイツの美容院―ブローはご自分で!

ドイツに長期滞在する日本人にとって、どうしても避けられない問題のひとつに、「美容院に行くべきか否か」という問題があります。一見些細なことのようにみえるかもしれませんが、在独日本人にとっては重要な問題!今回はドイツの美容院についてお伝えします。

シャンプーはオプション、ブローは自分でする

 

日本同様、ドイツでも美容院は街を歩けば容易に見つけることができます。中規模の都市であれば、世界展開しているパリ発祥の美容院、モッズ・ヘアがある場合もあります。料金はカットで10ユーロ(約1200円程度)から50ユーロ(約5800円程度)、日本同様ピンからキリまで…といったところでしょうか。しかし、日本との大きな違いは、カットのメニューには、シャンプー、ブローが含まれていない点でしょう。となると、乾いた髪で切ってもらう、またはオプションでシャンプー、ブローをしてもらう…という選択肢も発生しますが、ブローは客自身にさせる美容院も少なくないのです。美容院の前を通りかかると、客が鏡の前に立ち、自分で髪を乾かしている光景を見かけることも。これにはちょっと面食らう日本人も多いようです。

 思っていたのと違う…

 

日本・ドイツ関わらずに、美容院で理想の髪型にしてもらうのは難しいもの。しかも外国語で細かいニュアンスを伝えるのはなかなかハードルが高いうえに、技術的な違いの問題で、ドイツの美容院で苦い体験がある日本人は多いようです。

大きな原因のひとつには、西洋人と東洋人の髪質の違い。柔らかく細い毛髪の西洋人の髪を扱う美容師にとって、東洋人の太くて硬い髪はかなりの曲者のようで、カットのテクニックを心得ていないと大変なことになってしまうのです。また「梳く」という技術もあまり定着していないのか、どうしても直線状に毛先を切られてしまうこともしばしばあります。『ちびまる子ちゃん』のようにされてしまった女性、前髪をまっすぐ眉の上で切られて坊っちゃんカットになってしまった男性など、美容院での失敗談は数多く見聞きします。

そして、もうひとつの理由には、美的感覚の違いがあるのではないでしょうか。私自身も一度だけドイツの美容院を訪れたことがありますが、腰まで伸びた髪を15cmほどカットしてもらう際に、毛先は梳いて軽くしてください、まっすぐ切らないでね!とオーダーしました。しかし、言語的には伝わっているのに、『なぜ?せっかくカットするのに毛先を梳いたら台無しよ。ちゃんと毛先を揃えましょう!こんなに綺麗な黒髪なんだから!』とどうしても受け入れてもらえませんでした。ドイツしかり西洋社会では、黒髪信仰ともいうべき、ストレートで長い黒髪への憧れがあるためか、毛先もピシッと直線的なイメージが理想とされているのでは…とその時思いました。

当時の日本的なスタイルは、毛先は梳いて軽く遊ばせるのが主流だったのですが、美容師自身は、「黒髪はこうあるべき!」という固定観念があったのか、そのようなスタイルを想像できなかったのでしょう…。おかげで髪は、後ろから見ると、焼き海苔のようになってしまい、やはり私も失望しながら美容院を去ったのでした。

外国ならではの失敗談といえるかもしれませんね。あなたも海外の美容院で大変な思いをしたことはありますか?

 

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