ドイツの給料事情
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経済大国であるドイツ。日本人とビジネスにおける感覚が似ていると言われることがある一方で、休暇を大事にし、残業せずに効率的に働く事に重きを置くドイツ的働き方は日本人との違いがしばしば比較されています。ところで、その成果ともいうべき収入にはどれくらい違いがあるのでしょう。今回は、なかなかお喋りのテーマにしにくいお給料の話です。ドイツの平均年収は一体どれくらい?
ドイツの平均給与は…?
ドイツ連邦統計局の発表によると、2019年の調査ではフルタイムで働く人の平均月収は額面で3,994ユーロ、これは日本円で約50万円です(1ユーロ=125円換算)。2018年の同調査では3,880ユーロ、2008年は3,108ユーロという数字なので、この11年間で891ユーロ、約5万円アップしており、右肩上がりのグラフが続いています。
また、別の調査によると、ドイツのサラリーマンの年収は約58,000ユーロ(約700万円)とのことで、日本の平均年収441万円(国税庁の民間給与実態調査調べ2020年版)と比べ、かなり差があるようです。実際のところ、この年収の値は調査の仕方や調査団体によって数字が異なるので、判断に注意が必要ではありますが、ドイツは欧州内でも、フランス、オランダ、イギリスに比べて、給与が高いのは確かなようです。
ただし、忘れてはならないのは、この数字は額面ということ。ドイツでは税金や社会保険料が高く、また、旧東ドイツ復興支援を目的とした連帯付加税(Solidaritätszuschlag)や、教会税など、日本ではなじみのない税金も存在し、35%ほどが額面から天引きされます。
様々な格差も…
成長し続ける高い収入の裏には、様々な賃金格差も問題となっているようです。大学進学者は増え続けているドイツですが、学歴による収入格差も顕著とのことです。学歴は失業率にも相関しており、無資格もしくは低い資格の取得者で12.8%、高卒/中等教育修了者5.3%、そして大卒で2.4%の失業率となっているそうです。
また、旧東ドイツと西ドイツによる収入の格差も存在します。ドイツ16州で一番給与が高いのは、ヘッセン州、ここは欧州中央銀行が存在するフランクフルト・アム・マインがある州なので納得ですね。続いて、南西ドイツ、バーデン=ビュルテンブルク州(メルセデスベンツの拠点、シュトゥットガルトが州都)、ミュンヘンが州都のバイエルン州と続きます。一方、平均年収が最も低いのは、ドイツ北東に位置し、人口密度が最も低いメクレンブルク=フォアポンメルン州、そしてザクセン・アンハルト州、ブランデンブルク州と、旧東ドイツの州が占めています。(リスト: Gehalt: Das verdienen die Deutschen im Durchschnitt)
さらに、男女の賃金格差も存在し、2019年の年収を男女別で比べると、男性が4,181ユーロ、女性が3,559ユーロと、女性の方が約20%低い値となっています。どこに住むか、何を勉強するか、そして、男性であるか女性であるか、それによって収入に差が出るとわかっていても、自分では選べない条件もあります。また、不安定な昨今の世界情勢が、今後どのように経済活動に影響を及ぼしていくのかも、まだわかりません。
参考HP
- So viel verdienen die Deutschen Welt
- [ドイツ給料事情] 日本からドイツに就職・転職した際の年収は? Career Management
- 【2020年最新版】日本人の平均年収は441万円!10年分の年収推移や割合、男女内訳など徹底調査
- Gehalt: Das verdienen die Deutschen im Durchschnitt Merkur
これまで【日本人からみると不思議なドイツ事情】、【ものづくりの国ドイツ】を担当してまいりました、HHです。京都生まれ。ドイツ・フライブルク大学卒。留学中に得た経験をもとに、独自のアンテナを張って様々な側面からみたドイツをお伝えしていきたいと思います!皆さまのドイツ文化に関する興味・関心、ブログの感想もぜひ聞かせて下さいね。
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