毎日の入浴は肌に悪影響?ドイツのお風呂事情

日本では毎日のルーティンである入浴。生活スタイルの多様化が進んだ現代では、シャワーだけで済ませる事ももちろんあるでしょうが、1日の締めくくりにお風呂に入るのは、日本のスタンダードな習慣。でもこの習慣もところ変われば、「普通」とは言えません。まず、欧米圏での浴室は、必ずしもバスタブが設備されているわけではありませんし、洗い場や脱衣所もないことがあります。なぜドイツではシャワーですませるのが一般的なのでしょうか。シャワー/お風呂はどれくらいの頻度で入るのでしょう。今回はドイツの入浴事情に関する習慣をご紹介します。

お風呂に入らないのはなぜ?

 

ドイツの浴室は、シャワーだけの家も珍しくありません。その場合は写真のように正方形のシャワースペースにシャワーカーテンがひいてあったり、扉で仕切りがあったりですが、かなり狭い空間となります。バスタブがある住居ももちろん存在しますが、日本のように毎日入浴する習慣はありません。

ドイツの雑誌『Apothekenumschau』によるアンケートによると、ドイツ人で毎日シャワーを浴びるのは約60%、若者やシニアにおいては、回答者の約40%とさらに低い数字となりました。また、夜、就寝前に入るよりは朝に入る方が一般的なようです。

お風呂に浸からない一番大きな理由は、どうやら水道代のようです。ドイツの水道代は高く、一度バスタブにお湯をためる量は、五回分のシャワーに相当するとのこと。さらには、日本の浴室のように、洗い場があるわけではないので、一人入る度に、水を流して、入れ直す…これを毎日続けるとなれば、確かにその水道使用料は家計を圧迫するでしょうね。

貴重な水、水質、気候、習慣…

 

水の豊かな島国の日本とは違い、ドイツが内陸国であることを考えれば、確かに水源の種類・量の違いには納得です。ドイツでは、バスタブへの入浴は週に一度が目安ともいわれており、シャワーの目安は週に1,2度のほうが健康に良いという研究結果まであるそうです。

ドイツでは、お風呂の入りすぎは肌に良くないといわれており、熱いお湯で長い時間お風呂に入ると肌のバリア機能が落ちて、乾燥しすぎてしまうという理解があるのです。これも日本と比べると、気候と水質の違いによるものでしょう。湿気が多く、夏も異常なほどに蒸し暑い日本では、入浴しないと汗疹などの原因にもなるし、冬は体を温めるためには湯に浸かるのが一番効果的です。また、ヨーロッパではミネラル成分の多い硬水、日本は軟水ですので、肌や髪に与える影響が正反対。全く違う習慣ができるのも当然ですね。

衣食住の中で、特に住居に価値を置くドイツ文化ですが、家探しの際に最も重要視する点は、明るい空間と窓の多さで、バスタブは優先順位の最下位になるというアンケート結果もでており、ドイツ人にとってバスタブは必要性が低いようです。


 

参考HP

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