ドイツのテレビ事情―環境と習慣 

昨今ではインターネット、動画サイト、スマートフォンの普及などによる生活スタイルの変化によって、日本ではテレビの視聴率も下がっており、若年層のテレビ離れ、テレビ業界の凋落などとも揶揄されていますが、それでもやはり日本ではまだまだテレビ文化が浸透しているように思えます。一方、ドイツで生活してみると、テレビに関する習慣が違うように感じた経験があります。今日は、ドイツのテレビ事情についてお伝えします。

ドイツ人とテレビ

 

さて、ではまずテレビの所有に関してですが、ドイツ国内の全世帯のうち95%が少なくとも1台のテレビを所有しているということです。(Wikipedia) 実際に日本の詳しいデータと比較することができないので、あくまでも個人的経験と印象からいうと、日本の家庭内には戸建ての住居ならば少なくとも2台以上テレビがあるのではないでしょうか。リビングだけでなく、寝室、子供部屋、新しい住宅ならばお風呂にもテレビがついていることがあります。一方、ドイツ人家庭では日本のように複数のテレビを所有していない印象があります。せいぜいリビングに一台、寝室にはシンプルにベッドだけ。お風呂にテレビを備え付けるという発想すらなさそうです。

私がドイツで出会った人たちも、実際、生活の中で、日本のように何となくテレビを延々とつけているという習慣はなく、見たい番組がある時間につけて、見終わったら消す、という実にシンプルな使い方をしている人が大半だったように思います。

日常生活の中でのテレビの存在感はとてもうすく、逆に日本の日常生活ではテレビの視聴時間やその影響力の強さが際立っているようにも感じます。例えば、有名なラーメン屋や、定食屋などには有名人のサインとともに、テレビで紹介されました!という一言と写真も添えられていることが多いですが、そのような類の宣伝はドイツでは皆無でしょう。

日独テレビ視聴時間比較

 

テレビの習慣、実態や影響は日本と大きく異なるドイツですが、実際の視聴時間においては、2017年の統計によると、14歳から49歳までのドイツ人の1日のテレビ視聴時間は160分という数字が出ています。一方日本の総務省の2018年の統計によると、全世代の1日のテレビ視聴時間は159.4分となっており、世代を10代から40代に限定しても154.7分と両国大差のない数値が発表されていました。詳しい統計方法などは比較していないので確実な数字とはいえませんが、少々意外な結果でした。

しかし、ドイツでもテレビの視聴率はネット動画の躍進などによってずいぶん減っているとのことで、ここでは日本と同様の現象がみられる模様です。

今回はドイツにおけるテレビ環境と習慣をお伝えしましたが、ドイツのテレビ番組そのものや流れているCMを見ていると、その表現方法にも日本とは違う文化性を感じることがあります。テレビ番組で取り扱うテーマの違いに驚くこともありますが、それはまた別の記事でお伝えしますね!


参考HP

 

 

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