ドイツのスポーツ事情
目次
2021年は日本人にとってはお祭りイヤー。4年に1度のオリンピックが待ち受けており、世界中のトップアスリートが日本・東京に集まる夏となります(2020年から2021年に延期になりました)。ドイツは2010年までの夏季オリンピックにおける通算メダル獲得数は5位、旧東ドイツ、西ドイツの記録を合算するとアメリカ、ロシアに次ぐ第三位で、紛れもないスポーツ強豪国といえます。ではこのドイツのスポーツを取り巻く環境はどのようなものなのでしょう。ドイツでポピュラーなスポーツなど、今回はドイツのスポーツ事情についてお伝えします。
ドイツで人気のスポーツといえば?
ドイツのスポーツといえば、今日ではサッカーが第一に思いつくかと思います。日本人選手がドイツ・ブンデスリーガで活躍しているニュースが耳に入ることも既に珍しくなくなってきましたね。さて、ドイツ人の好きなスポーツの第一位も予想を裏切ることなく、サッカーという結果がドイツの調査会社Statistaのアンケートで明らかになっています。(Statista調べ・2019)そして、2位はスキージャンプ、3位はバイアスロン(クロスカントリーとライフル射撃を組み合わせた2種競技)です。ランキングでは、陸上競技、カーレース、妥当といえば妥当なのでしょうが、ハンドボール、ボクシングと続きますが、1位のサッカーの34%に比べて、2位以降は14%、13%、12%と続き、国民のサッカーへの興味がいかに突出しているかがわかります。
伝統的な地域振興のスポーツクラブ、部活など存在しない
様々な競技において強豪国と位置付けられているドイツですが、日常生活において、スポーツが身近にあるのも大きな特徴のようです。というのも、ドイツにはSportverein(シュポートフェアライン)という地域のスポーツクラブが全国に9万団体も存在する点にあります。このスポーツクラブのシステムは、実に200年の伝統があるといわれ、日本にある、民間が運営するようなスポーツクラブと違い、いわばNPO法人のような形態で運営されているそうです。60種目以上の競技が行われおり、ひとつのスポーツクラブで複数の競技を行うところも多いそうです。また、子供から大人まで幅広く利用されています。
ちなみにドイツの学校(中学高校にあたる教育機関)には、いわゆる部活というものが存在しておらず、子供たちはスポーツクラブで任意のスポーツ活動をするそうです。学校とは別の社会的活動の場としてのスポーツクラブは、日本的な先輩後輩の上下関係で閉塞しがちな部活動と比べて、自由で多様な人間関係を築ける場として評価しているジャーナリストの声もあります。
ドイツのスポーツ文化を支えるスポーツクラブはスポーツ強豪国の秘密なのかもしれません。今年の夏は、オリンピック競技で、ドイツ人選手の活躍にも注目してみたいですね!
参考HP
- ドイツのスポーツ Wikipedia
- Beliebteste Sportarten in Deutschland nach Interesse der Bevölkerung an dem Sport in den Jahren 2017 bis 2019 Statista
- ドイツはスポーツ天国か? それはあまりにも日常的! 東洋経済
- スポーツが身近なドイツ 地域のスポーツクラブからオリンピックまで 在日ドイツ商工会議所
これまで【日本人からみると不思議なドイツ事情】、【ものづくりの国ドイツ】を担当してまいりました、HHです。京都生まれ。ドイツ・フライブルク大学卒。留学中に得た経験をもとに、独自のアンテナを張って様々な側面からみたドイツをお伝えしていきたいと思います!皆さまのドイツ文化に関する興味・関心、ブログの感想もぜひ聞かせて下さいね。
Comments
(0 Comments)