ドイツお茶業界のあれこれ 

ドイツはコーヒー文化が根強い国で、一人当たりの年間の消費量は、コーヒーが164ℓ、ビールが101ℓ、そしてお茶は27.5ℓと、ダントツでコーヒーに軍配が上がります。しかし、お茶の消費量が年々増加傾向にあるのも事実で、近年は毎年その記録を更新しています。昨今では欧米の抹茶ブームともあいまって、若者の間でもお茶を楽しむのがトレンドとさえなっているとか。今日はそんなドイツのお茶業界のあれこれについてお届けします。

ドイツのお茶の消費動向

 

世界で一番お茶の消費量が多いのは、トルコで、一人あたり年間283ℓの消費があります。ドイツのコーヒーの消費量より多いですね。しかし、先にあったドイツ内のお茶の消費量27.5ℓというのは、紅茶と緑茶を対象とした数値で、ドイツ人の好む、ハーブティーやフルーツフレーバーティーはこちらの調査では対象外とされていました。そう、お茶の定義をハーブや香辛料(シナモンなど)を含むものまで広げてみれば、ドイツには、様々なハーブティー、(ペパーミントや、カミツレ茶、ハイビスカス、フェンヒェル、ルイボスティーなど)があり、種類の豊富さを誇っています。

ドイツ茶業協会(Deutscher Teeverband e.V)の報告によると今日では、少し変わった混合茶が流行になっており、「ブルーベリーマフィン味」や、「ストロベリーチーズケーキ味」といったケーキ味がトレンドだということです。また、タイ、マレーシア、韓国といった国々からの新たな輸入も増加しています。ちなみにドイツで一番人気のあるお茶のブランドはTeekanne, Meßmer, Milfordだそうです。

オストフリースラントのお茶文化

 

北ドイツ、北海沿岸地方はフリースラントといい、古くはゲルマン系フリース人が居住していた地域です。この東フリースラントは、オランダとの国境に近く、オランダ東インド会社の貿易船がこの地域に停泊し紅茶を持ち込んだ影響で、400年以上続く紅茶文化が栄えており、住民のお茶の消費量は256ℓ(300ℓとも)にもなります。これは、ドイツ人全体の平均と比べると、100倍近くにも及び、世界一お茶を飲む人々ともいわれています。この紅茶文化は、2017年に無形文化遺産にも登録されています。オストフリーゼンテーと呼ばれるオリジナルブレンドの紅茶は、淹れ方にも作法があります。氷砂糖をカップにいれ、熱いお茶を注ぎ、クリームをスプーン一杯ほど左回りに入れます。このときミルクは空に浮かぶ雲をイメージするそうで、かき混ぜないでのむのが東フリースラント流だそうです。

まさかの融合、抹茶ソーセージ!

 

Matcha-そう、抹茶はいま、海外でスーパーフードともてはやされているのをご存じですか?ドイツでも健康志向が高まっており、ベルリンでは抹茶が楽しめる日本風の茶房が4件もあるそうです。さらには、2014年にバイエルン在住のヴェルナー・グロップ氏が、抹茶ソーセージ(Matcha-Wurst)なるものを友人の肉屋さんと開発・発明して、すでに特許も取得しています。抹茶味のバウムクーヘンもあるならソーセージも…ありでしょうか?昨今はこのように抹茶のみならず、マテ茶、チャイ、ウーロン茶の人気も上昇しているそうです。

歴史的には、お茶を巡る戦争や事件は度々起こり、歴史を動かす契機となるほどの嗜好品でした。嗜好品の文化は貿易の場でも衝突と融合を繰り返してきました。海外の抹茶ブームは一過性のもので終わるのか、東洋的な思想とともに根付いていくのかを追いかけてみるのも面白いかもしれませんね。

 

 


 

参考HP

 

ベルリンでお茶が飲めるカフェ

 

 

Comments

(2 Comments)

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