ドイツのバレンタインデー

もうすぐバレンタインデーですね。義理、本命、友チョコ、自分用…。日本ではいわずもがな定着しているバレンタインデーですが、ドイツではどのような習慣があるのでしょうか。今日はドイツのバレンタインデーについてお伝えします。

バレンタインデーとは

 

バレンタインデーの起源について語られることはあまりありませんので、まずはその由来をご紹介します。バレンタインとは、ローマ帝政時代、3世紀のカトリックの聖人、聖ウァレンティヌス(聖バレンチノ)のことです。当時のローマ皇帝は、兵士たちの結婚により、軍の士気が下がっていくことに危惧して、兵士たちに結婚を禁止していました。司祭であったウァレンティヌスは、兵士たちを憐れみ、この禁令に背いて秘密裡に兵士たちに結婚式を執り行っていましたが、皇帝に注意を受けたあとも、これに屈することなく人々の婚姻を執り行っていたため絞首刑となり、処刑された日が2月14日というわけです。その後時代を重ね、ウァレンティヌスは聖人として認められ、2月14日が恋人たちの日となりました。

 日本のバレンタインデー、ドイツのバレンタインデー

 

日本のバレンタインはずいぶん商業化されていますが、意外と古い起源をもつバレンタインデー。ではドイツのバレンタインデーはどのような習慣があるのでしょう。

ドイツのバレンタインデーは、愛の告白の日というよりは、カップルや夫婦のためのイベント。男性から女性に花束の贈り物をするというスタイルです。他には、スイーツ、手紙、食事への招待などが一般的で、チョコレートのプレゼントは定番ではありません。もちろん義理チョコなども存在せず、そもそもドイツ人にはその概念すら想像しにくいでしょう。

現在、以上のようなスタイルは存在していますが、実際ドイツでバレンタインデーが広まったのは1980年代半ば以降でごく最近の風習です。もともとヨーロッパでは、19世紀のイギリスで現代のようなバレンタインの形式が始まり、アメリカへと広まりました。ドイツでは、第二次世界大戦後、ドイツに駐屯していた米軍から知られることとなりましたが、ハロウィン同様、「アメリカのお祭り」という印象が長らくあったようです。

ちなみに日本のバレンタインデーは1936年に製菓会社のモロゾフが紹介したのがはじまりで、一般的に普及しはじめたのは1958年頃です。女性から男性に贈り物をするという日本独自のスタイルは、一説によると、当時の製菓会社の翻訳ミスが原因ともいわれていますが、真偽のほどは定かではありません。

起源は古いけれど、イベント要素がたくさん盛り込まれた現代的風習であるバレンタインデー。今後、ドイツでも日本のように独自の発展を遂げていくのでしょうか。


 

参考HP

 

 

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