プレゼントを持って来るのは誰?ドイツのクリスマス

12月も目前となると、クリスマスマーケットも開幕しドイツの街並みはクリスマス一色のイルミネーションになります。

一大イベントであるこのクリスマス、もちろんプレゼントは最大の楽しみのひとつですね。でもドイツではいわゆるサンタクロースも存在しますが、ほかにもプレゼントをくれる存在がいるのです。

しかも、12月24日または25日だけではありません。一体他にはいつ誰がプレゼントを持ってきてくれるのでしょう。

クリスマスプレゼントに関わる様々な登場人物

 

一般的に今日のドイツでは、12月6日は聖ニコラウスがクリスマスプレゼントを持ってきてくれる日、12月25日(もしくは24日の晩)にプレゼントを持ってきてくれるのはヴァイナハツマン(Weihnachtsmann)、もしくはクリストキント(Christkind)という言い伝えがあります。

日本人としては『クリスマスイブの夜にサンタクロースがプレゼントを世界中の子供に配りに来る』というざっくりとした認識しかないのが一般的かと思いますので、なぜ三人もプレゼントをくれる人がいるのだろうと思いますよね。ひとつひとつ解説しましょう。

聖ニコラウスは、3世紀に実在した小アジア(現在のトルコ)出身の司教でした。

聖ニコラウスは大変慈悲深い司教で、伝説的な逸話も多いため、彼の命日である12月6日が聖人歴となり、この日がプレゼントをもらえる日に転じたというわけです。

有名な逸話としては、聖ニコラウスが、貧しい家庭に人知れず煙突から金貨を投げ入れ、その金貨が偶然靴下に入ったことから、靴下がクリスマスプレゼントに必須のシンボルとなったようです。

そしてドイツではクランプス(Krampsとよばれる悪魔や黒サンタといわれるクネヒト・ループレヒト(Knecht Ruprechtも、聖ニコラウスの従者として存在し、悪い子は袋に詰められてさらわれてしまうのです。

 

様々な要素を取り込んだ現代のサンタ像
様々な要素を取り込んだ現代のサンタ像

 

 聖ニコラウスvs クリストキント?ヴァイナハツマン?

 

さて、12月24日にプレゼントをくれるクリストキント(Christkind)はその名の通り「幼子イエス」、つまりイエス・キリストの幼少時代がモチーフになったイメージ像です。

このクリストキント、実は16世紀の宗教改革の時代にマルティン・ルターが、思想上の対立からカトリックの聖ニコラウスに対抗して作ったイメージ像なのです。つまり伝承や伝説ではなく、意図的に作られた人物像なのです。

そしてその見た目も、当初はキリストの幼少期に似せたものでしたが、時代と共に変化を遂げ、今日では金髪巻き髪の女性の天使がイメージされています。

今日では、プロテスタント信者のみならず、スイス、オーストリア、ドイツのカトリック信者の多い地方、さらには東欧諸国やラテンアメリカ諸国でも根付いた風習となりました。

一方北ドイツではヴァイナハツマンの方が根強い風習のようです。

ヴァイナハツマンはフィンランドが故郷という説や、聖ニコラウスが原型である説など様々な俗説がありますが、真っ白な口ひげに赤い服を着てソリに乗っているヴァイナハツマンのイメージは、聖ニコラウスの風習を受け継いでいたアメリカのオランダ移民たちによって商業主義的に作り上げられたイメージ像が、さらに戦後ヨーロッパに逆輸入という形で広まったイメージ像と言われています。

ヴァイナハツマンはアングロサクソン系のサンタクロース、つまり日本人が思い描くサンタクロースとほぼ同じ人物と思って良いようですが、ヴァイナハツマンはソリではなく、森の中からやってくるとか…。

いかにもドイツらしいイメージが作られているようです。

 

寒さも厳しく日照時間も短いドイツの12月は、プレゼント合戦で盛り上がりそうです。


参考HP

 

 

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  • クリスマスの過ごし方 in ドイツ – トランスユーロアカデミー

    […] 12て、12月真っただ中、日本では師走。みなさま忙しくお過ごしのこととは思いますが、ドイツの12月もクリスマスですので、浮足立った雰囲気です。前回はクリスマスプレゼントを持って来る人物についてお伝えしましたが、今回は、ドイツのクリスマスの過ごし方についてお伝えします。みなさんは毎年どのようにクリスマスをお過ごしでしょうか。日本のクリスマスというと、恋人や友達たちとにぎやかに過ごすイメージですが、ドイツのクリスマスはどのような感じでしょうか。 […]

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