おなかが痛いときにはコーラ ドイツの民間療法
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病気やケガをしたときに家庭でできる治療法、いわゆる民間療法は国や文化ごとにバラエティに富んでいます。
たとえば、しゃっくりがでるときには、びっくりさせると良い、風邪をひいたときにはねぎを首に巻くなどは日本で知られている民間療法です。
さて、ドイツではどのようなものがあるのでしょう。
腹痛にコーラ
なんといっても一番インパクトのあるものは、ドイツでは、腹痛(下痢など)のときは、生暖かいコーラを飲むという民間療法ではないでしょうか。
生ぬるいコーラと、ザルツシュタンゲという棒状で塩の付いたプレッツェルも一緒に食べるそうです。
おなかの痛いときに、コーラなんて飲んだら、さらに酷くなりそうですが、それなりの根拠もあり、体内の水分と電解質を補うためなのだそうです。
とはいえ、理屈ではわかっていてもなかなか試しにくそうです・・・。ドイツでは一般的なこの民間療法も、症状の悪化を招くとして推奨していないお医者さんもいます。
風邪にホットビール
ドイツでは風邪のときに暖めたビールを飲むそうです。さすがビールの国ですね。どのような効果があるのでしょう。
ビールのホップと麦芽に含まれるホップ精油と苦味の素が睡眠と鎮静、さらには抗菌効果もあり、温めて飲むことでさらに効果はあがるといわれています。
ホットワインならぬホットビール。なんだか想像もつきません。
ジャガイモ湿布
ドイツといえば、ビール、そしてじゃがいも。期待を裏切らないですね。
じゃがいもも民間療法に取り入れられています。風邪のひき始めや、咳による喉の痛みがあるときに、タオルにマッシュポテトを塗ったものを、胸に貼るといいそうです。
またジャガイモ湿布は授乳期の乳腺炎にも良いとのことです。
ハチ刺されにタマネギ
ハチに刺されたときには切ったタマネギで湿布するといいそうです。
感染予防にもよいそうです。なんだか何でもありですね。
中世ドイツの修道女ヒルデガルト
最後に、ドイツ薬草学の祖といわれるヒルデガルド・フォン・ビンゲンについて少しだけご紹介します。
彼女は中世を代表する神秘家の修道女、作曲家であり、ドイツの自然療法の礎ともいえる存在です。ハーブや生薬の薬効と毒性に精通しており、キリスト教をベースとした思想のもと、ホリスティックな医学の実践者として活躍しました。
12世紀当時は、まだ人々の平均寿命も30歳でしたが、彼女は81歳まで生きたそうです。
さて、コーラにビール、じゃがいも湿布、このような治療法は、Hausmittel(ハウスミッテル)といわれる民間療法ですが、日本でいうところのおばあちゃんの知恵袋といったところでしょうか。
ドイツのお医者さんではあまり薬を処方してくれませんので、このように現代医学とは別な治療方法も生活の中に残っているのではないでしょうか?
日本だとどのようなおもしろい民間療法があるのでしょう。生活に密着した知恵はお国柄がでるので興味深いですね。
参考HP
http://www.self-medication.ne.jp/data/cat51/
これまで【日本人からみると不思議なドイツ事情】、【ものづくりの国ドイツ】を担当してまいりました、HHです。京都生まれ。ドイツ・フライブルク大学卒。留学中に得た経験をもとに、独自のアンテナを張って様々な側面からみたドイツをお伝えしていきたいと思います!皆さまのドイツ文化に関する興味・関心、ブログの感想もぜひ聞かせて下さいね。
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