日本人と桜

東京では先週から桜が咲き始めています。桜の開花は毎年、全国規模の一大イベントです。すでに年明けの段階から、いつ頃どの地方から桜が咲き始めるかという最初の開花予想が出されます。桜の開花時期は東京では、だいたい3月の終わりですが、寒い北日本では5月にずれ込みます。

花見の季節が待ちきれない日本人

まだ桜が咲き始める前の2月には、すでに多くのスーパーやデパートでさくら味の食べ物や飲み物などの桜商品が販売されます。すでに9月からクリスマス用のお菓子が売られているドイツとよく似ていますね。

2月15日が桜商品の販売開始日に設定されていることが多いですが、これは2月14日まではバレンタインデー用のチョコレートが販売されているためです。これと似たような現象が冬にもよく見受けられます。10月31日まではハロウィーングッズが販売されていますが、11月1日になると見事に、全てのお店の飾り付けがクリスマス用に模様替えされて、クリスマスグッズが販売され始めますよね。

桜の開花

公式の桜開花宣言は、テレビやインターネットで大きく発表されます。そして、たくさんの桜の木がある大きな公園へと花見客が押し寄せます。東京では、例えば代々木公園や井の頭公園が人気のスポットです。週末は大混雑しているので、公園内を通り抜けられないくらいです。

日本人は、敷物として使うブルーシートをしばしばお花見に持っていきます。ブルーシートは桜の下に広げられ、そこに皆で座りグループで飲食を楽しむのです。たいていは、良い場所を確保するためにグループ内の何人かが、場所取りのために先発隊として送られ、本隊はあとから合流します。しかし、あまりにたくさんの花見客が集結したせいで、携帯の受信状況も悪化するようで、先発隊とうまく連絡が取れず合流できないこともあるそうです。

食べ物や飲み物は、自分たちで用意して持参するか、あるいは現地で調達することになります。お花見の時期には、多くの公園に屋台が出ており、ここで色々な食べ物を調達することができますが、屋台で調達する場合は、行列に並ぶことを覚悟したほうがよいでしょう。。

桜の象徴

開花宣言が出されてから数日で、桜は満開の時期を迎えますが、それも長くは保たず、ほどなくして、桜は散り始めてしまいます。けれども、桜の散る様もまた桜のもう一つの魅力なのです。樹々から散りゆく花びらは、桜吹雪となってまるでピンク色の雪が舞い落ちてくるようです。

桜の花が散りゆく様は、日本人にとって、はかなさの象徴であり、歌詞や、詩などでも好んで取り上げられています。散りゆく花びらは、同時に新たなスタートの象徴でもあります。多くの日本人にとって、人生の節目は4月にスタートします。日本の小中高生や大学生は3月に卒業式を迎えます。そして、小中高の卒業生にとって、4月は、大学に進学する場合や就職する場合には、人生の新たなスタートを切る節目となります。大学を卒業した人たちも、4月に社会人生活や大学院研究のスタートを切ります。人生におけるこのような大事な節目は、いつも桜と共に迎えるのです。

日本のお花見を楽しんだ経験はありますか。もし春の季節に日本にいるのなら、是非その機会を逃さないでくださいね。

 

Comments

(1 Comment)

  • 五月病-連休明けの苦しみ - トランスユーロアカデミー

    […] 前回の記事でもお伝えしたように、多くの日本人にとっては、大学生活や新社会人生活を始める場合、4月が新たな節目となります。生活環境、新しい住居、新しい仕事仲間などの変化は、全てストレスを引き起こす要因となり得るのです。5月は、大きな変化の後に一休みできる初めての時間なので、ストレスから逃れて、改めてゆっくり考える時間ができます。 […]

  • メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    CAPTCHA