ドイツの住宅事情・Zwischenmieteってなに?
ドイツの住宅事情はどのようなものでしょう。ドイツ文化に触れる中で、次のような事をきいたことがあります。“衣食住でドイツ人が尊重するのは、住に関すること。ドイツでは寒い季節が長いため、家にいる時間が長く、そのため居心地のよい住居を自分たちで作りあげていくという意識が高い。”たしかに、ドイツ人の食文化や衣服に対する意識に比べると、住居への思い入れはぐっと高いことを感じます。今日はそんなドイツの住宅に関わるトピックスの中から、日本人には馴染みのうすい制度をひとつご紹介します。
Zwischenmiete-気軽に引っ越し
ドイツでは自分の住居を一定期間空ける場合に、転借できるシステムがあります。もちろん大家さんからの許可が必要ですが、かなり一般的に行われています。その制度はZwischenmiete(ツヴィッシェンミーテ)といわれ、主に学生たちが、夏期休暇中や、休学して海外留学をする場合、インターンシップで一定期間のみ他の町に移る場合などに利用しています。インターネットや新聞、大学の掲示板、さらにはスーパーの掲示板などに募集情報を出し、入居希望者と現居住者が個人的な契約をして、部屋をそのまま貸し出します。家財道具などもそのまま貸し出すので、貸す側は引っ越す手間も処分する手間もなく、転貸することで別住所に居住していても、家賃を二カ所に払う必要がなくなります。一方、借りる側は家具を揃える必要もなく、通常の引っ越しで発生するような費用を抑えることができるので、経済的です。貸す方も借りる方にもメリットが大きく、節約、実用性、合理性を重視するドイツならではのシステムともいえるでしょう。
日本では・・・?
このZwischenmieteですが、そもそも日本では、賃貸契約で転貸は禁止事項となっているのが大半で、又貸しという言葉自体にもあまり良い印象はありません。その上心理的にもなかなか馴染みにくいシステムかもしれません。知り合いや友人へ貸し出すのならまだしも、公募して全く見知らぬ人に自分の部屋を明け渡すのはだいぶ勇気がいるかもしれません。もちろんドイツででも、Zwischenmieteで入居した際のマナーを持つことは暗黙の了解とされています。例えば、部屋に残されている所有物を興味本位に触れたりすることは慎まれるべきとされています。
しかし、日本でもこのシステムがあれば、気軽に他の町で、違う生活を楽しむことができるかもしれません。昨今では、民泊スタイルも序々に浸透し始めており、シェアハウスという選択肢も珍しくなくなり、ライフスタイルが変わりつつあります。日本で一定期間だけ他の町で滞在する場合(期間限定の転勤や出向、遠方の家族の一時的な介護など)だとウィークリーマンションという選択肢がありますが、割高となってしまうのは避けられません。合理性と効率を重んじるドイツのツヴィッシェンミーテ制度を日本でも取り入れるにはどんなところを気をつければいいでしょう?ご意見がありましたら、是非コメントに残して下さい。
参考HP
https://www.immobilienscout24.de/wohnen/zwischenmiete.html
これまで【日本人からみると不思議なドイツ事情】、【ものづくりの国ドイツ】を担当してまいりました、HHです。京都生まれ。ドイツ・フライブルク大学卒。留学中に得た経験をもとに、独自のアンテナを張って様々な側面からみたドイツをお伝えしていきたいと思います!皆さまのドイツ文化に関する興味・関心、ブログの感想もぜひ聞かせて下さいね。
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