スイスの祝日事情

 

日本では、昨年は土曜日と日曜日に当たらない祝日が計15日だったのに対し、2023年は13日であることを残念がっている人も少なくありませんでした。

1年と言う長いスパンで見ると365日中の1日や2日は大したことないように感じますが、世界的に働き者と認識されている日本人にとっては休みが1日増えるか減るかは意外と重要みたいです。

とはいえ、そもそも日本が他の国と比べて祝日が多いことをご存知でしたか?

しかも、日曜日と重なった祝日を補う振替休日という制度まで存在し、一部の国や地域からしてみれば日本は祝日に関してとても恵まれている国と言えます。

もちろん、比較対象がなければ自分が置かれている状況を把握するのはなかなか難しいですし、一生関わることのない他国の祝日事情を知る機会も殆どないことから、自身が如何に得しているかを自覚できないのは無理もありません。

そこで、今回は日本の皆様が祝日に関して意外と幸運であることを再認識してもらうためにスイスの祝日事情についてご紹介いたします。

⇒続き

ドイツの教養を支えるレクラム文庫

 

黄色、オレンジ、赤、緑など一色使いの小さな文庫本。ドイツの伝統的な文庫本といえばレクラム出版社(Reclam Verlag)から出版されているレクラム文庫(Universal Bibliothek)

世界の古典文学作品を中心とし、ドイツの教養、教育、学問を支え、培ってきたといっても過言ではありません。

また、レクラム文庫は、日本の岩波書店が岩波文庫を刊行するにあたってモデルにしたとも云われており、廉価で持ち運び安い書籍を、より多くの人々に提供するというモットーの元に発展を遂げてきました。

 

⇒続き

言語圏の境目に建つ都市フリブール

 

過去の記事でも申し上げたことがあるので既にご存知だと思いますが、スイスにはそれぞれの言語圏を有する4つの公用語があります。

そのため、本ブログでは特定の言語圏をえこひいきせず、なるべく全ての言語圏を採り上げるようにしています。

特に名所に関してはドイツ語圏だけでなく、フランス語圏やイタリア語圏の都市もご紹介していますし、他の記事においてもそういったバランスを考慮し、可能な限り4つの言語圏に言及してきました。

しかし、言語とはそれを話す人間によって形を変え、空間的にも移動することから、言語圏もまた一定不変なものではありません。

現にスイスでは言語圏が時間の経過とともに複雑に入り乱れて、今となってはそれらの境界線がはっきりしない地域が多々あります。

しかも、その中にはなんとひとつの市町村で2つの異なる言語を使用するという、日本人からしてみればおそらく想像もできない珍しいケースまで存在します。

したがって、今回はそんな言語圏の境目に建っている代表例としてフリブール州(Canton de FribourgまたはKanton Freiburg)の州都フリブールをご紹介させていただきます。

 

⇒続き

ドイツのミネラルウォーター

 

ドイツを初めて訪れた日本人は、ドイツのレストランでは飲料水がタダでないこと、そしてミネラルウォーターにシュワシュワの炭酸が入っていることに驚かれることでしょう。

ドイツに限らず、他のヨーロッパの国々でもそうなのですが、ミネラルウォーターと言えば、炭酸入りが一般的です。

炭酸入りミネラルウォーターが苦手な人は、レストランやスーパーでStilles Wasser(無炭酸水ミネラルウォーター)」を選びます。

炭酸入りミネラルウォーターは、源泉水にわざわざ炭酸を入れている訳ですが、ドイツ人は一体なぜ炭酸入りミネラルウォーターを好んで飲むのでしょうか?

⇒続き

ドイツでシエスタ?猛暑を乗り切る提案

 

今年も35度以上の猛暑日が連日続き「災害級の暑さ」とまで言われていますが、これは日本のみならず、世界中が熱波に苦しんでおり、7月初旬には地球の平均気温が過去12万5千年間で最も高い気温を記録したとのニュースもあるほどです。

北米やヨーロッパ各地でも高温による山火事の被害は大きく、WMO(世界気象機関)も「命にかかわる暑さ」と、死亡リスクの高まりに警鐘を鳴らしています。ドイツでも7月半ばは猛暑日が続き、年々厳しくなる熱波への対策を取るべく新たな議論がされています。

⇒続き

アルプスの少女ハイジも愛したラクレット

 

スイス人として日本で生活しているとあの人気アニメ「アルプスの少女ハイジ」を話題にされることが非常に多く、中でもアルムおんじが暖炉でチーズを溶かしてハイジに「ラクレット」(Raclette)を振る舞うシーンには大半の方が衝撃を受けたと度々お聞きします。その影響もあって、「私もラクレットを食べてみたい」と思っただけでなく、わざわざスイスを訪れてその目標を達成された人までいるそうです。

とはいえ、近頃は日本国内でラクレットを提供するお店が増えていることもあって、遠く離れた現地に足を運ばなくてもハイジと同じ体験ができるようになっています。

しかし、「ラクレット」の名前が付いているからといってそれが必ずしも本場スイスのラクレットと同じ料理であるとは限りません

というのも、私自身も日本で何度かラクレットをいただいたことがありますが、アレンジレシピなどオリジナルとは少し違うものが出てきたケースが多かったので、少し残念な気持ちになったのが正直なところです。

また、ラクレットは誰でも容易に作れるチーズ料理と思われがちですが、食材、調理法、食べ方などが形式化された独自の食文化が存在するため、それらをある程度遵守しないとラクレットではなく、ただの焼きチーズになってしまいます。

そこで、スイス人としては日本の皆様にせめて正統派を知った上でアレンジバージョンを楽しんでいただきたいと強く思っておりますので、今回はアルプスの少女ハイジも愛したラクレットについて色々とお話しさせていただきます。

  ⇒続き

ウィーン住居事情

 

こんにちは、4月から『オーストリア留学日記』を担当して参りましたmona_tです。

最終回の今回は『ウィーン住居事情』と題し、私自身のウィーンでの家探し体験から、家選びの基準、そして日本とはやっぱりちょっと違う、オーストリアならではの家あるあるまで、盛りだくさんでお届けします。

⇒続き

ドイツの介護事情

 

日本とドイツ、どちらも少子高齢化が進んでいる社会です。

ドイツの出産率はわずか1.58人で、日本より若干多いくらいですが、ドイツも、仕事と子育てを両立できる環境整備が遅れているとされています。

少子化が進む一方で、寿命は伸びている。日本と同じような少子高齢化社会のドイツの「介護事情」についてお伝えします。

⇒続き

スイスドイツ語講座その11:体の部位

 

皆様は外国語を学ぶ際に体の部位を覚えることをどれほど重視しますか?

これは私の勝手な推測ですが、外国語をしっかり学習するにあたっては体のパーツも避けられない一方、観光目的などのために簡単な会話のみを身に付ける時は意外と不要に感じている人も少なくはないのではないでしょうか?

確かに、旅行では「〇〇はどこですか?」などのお決まりフレーズを集中的に習得しておけば、大したトラブルに遭うことはありません。

しかし、思いも寄らない事態でいきなり救急車を呼んだり、病院を訪れたりすることになったのに、「頭を打ちました」も言えないと何かと困ります。

また、異常がなくても、「顔色がよくない」といった体の部位が含まれる簡単な日常会話も成立しませんし、衛生用品の購入に際してどの商品がどの部位のためのものかの区別すら付きません。

したがって、今回のスイスドイツ語講座では案外甘く見られているけど、知っておくと様々な場面で非常に役に立つ体の部位の表現についてのお話をします。

 

⇒続き

ドイツのバッチェラーパーティー Junggesellenabschied

 

ドイツの街中を歩いていると、たまに見かける風変りなグループがいます。

同性同士が集まり、お揃いのTシャツやコスチューム、着ぐるみなどを着た4,5人から10人ほどの団体がお祭り騒ぎをしていますが、時期はハロウィンでもカーニヴァルの時期でもないし…。

おそらくこのようなグループはJugendgesellenabschied、いわゆるバッチェラーパーティーをしているグループと考えてよいでしょう。

 

⇒続き