スイスが「世界一の時計王国」と呼ばれる理由

 

今まで何度かにわたってスイスの名物をご紹介させていただきましたが、振り返ればその殆どが食料品だったような気がします。

スイスは元々農業国家ですので、食べ物が豊富なのは不思議ではありませんが、食料品以外にもスイスを代表する様々な特産品があるのは言うまでもありません。

中でも、とあるものは世界のどこへ行っても必ず目撃し、皆様の身の回りにも高確率でそれを所有している人が存在すると断言できるほど有名です。

むしろ、多くの方々にとってはその商品が日常において当たり前にあるもののように感じているせいか、スイスの製品というイメージが沸かないことも少なくありませんので、逆にそれがスイスの特産品だと伝えた瞬間に「言われてみればそうだよね!」みたいな反応をします。

ここまで言えばさすがに読者の皆様も何を指しているかもうお分かりなのではないでしょうか?そうです。答えは他でもない「時計」です!

という訳で、今回はスイス銀行とスイスチャードに並んで国名が商品の一部になっているほど代表的なスイス時計についていろいろとお話させていただきたいと思います。

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講師の加藤がミュンヘンの名門特許事務所にてセミナーを開催!

トランスユーロアカデミー講師の加藤勇樹が、来たる10月10日(火)の16:00(日本時間23:00)よりミュンヘンに拠点を置くドイツ名門の特許法律事務所・TBKにて『ドイツ語固有の技術用語の翻訳』と題したセミナーを開催します。

特にドイツにあって日本にはないドイツ語固有の技術用語や技術概念の翻訳の問題や、日本語とドイツ語で表現は同じなのに概念が異なる用語の翻訳の問題などを、日本特許庁審査第二部ワーキンググループによるドイツ語固有の技術用語に関する調査活動(2019年)への協力経験に基づいて解き明かします。

どなたでもご参加できます(参加費無料)。
現地会場にてリアル開催ですが、オンライン(Zoom)でも参加可能です。

 

■セミナー情報

開催日時:2023年10月10日(火) 16:00~17:00(23:00 – 24:00 JST)
会場:TBK事務所内大会議室(ミュンヘン)
開催形式:リアル開催+オンライン開催(Zoom)
言語:日本語
参加費:無料
申込先:TBK事務所
締切り:会場参加10月6日(金)、オンライン参加は開催直前まで申込み可能
申込方法:会場参加orオンライン参加を明記の上、ご氏名、ご職業、お住まいの地域を記載して下記メールアドレスよりTBKセミナー担当者宛にお申し込みください(日本語でOKです)。何かメッセージがございましたらお書き添えください。

申込先メールアドレス:tbkpost@tbk.com

 

皆さまのご参加を心よりお待ちしています。

ドイツのブックシェアリング – 公共の本棚

皆さんは、読み終わった本はどうしていますか?

次に喜んで読んでくれそうな友人にあげたり、中古本として売ったり、そもそも本は買わずに専ら図書館で借りる人も多いことでしょう。

こちらドイツの町では、ブックシェアリングが日常に根付いています。

天気のいい週末、近所を歩いていると(ドイツ人は散歩が大好き)、住宅の前に書籍が詰まった段ボール箱が置かれていて、「zu verschenken(無料で差し上げます)」とメモ書きが残されていることがあり、面白そうな本があれば、家に持ち帰ることがあります。

またそれ以外にも、街の中に、いきなり本棚が置かれていることもあります。

これらは「Öffentlicher Bücherschrank (公共の本棚)」と呼ばれ、主にボランティアによって管理されている本棚で、ドイツのブックシェアリングを象徴する存在となっています。

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スイスの祝日事情

 

日本では、昨年は土曜日と日曜日に当たらない祝日が計15日だったのに対し、2023年は13日であることを残念がっている人も少なくありませんでした。

1年と言う長いスパンで見ると365日中の1日や2日は大したことないように感じますが、世界的に働き者と認識されている日本人にとっては休みが1日増えるか減るかは意外と重要みたいです。

とはいえ、そもそも日本が他の国と比べて祝日が多いことをご存知でしたか?

しかも、日曜日と重なった祝日を補う振替休日という制度まで存在し、一部の国や地域からしてみれば日本は祝日に関してとても恵まれている国と言えます。

もちろん、比較対象がなければ自分が置かれている状況を把握するのはなかなか難しいですし、一生関わることのない他国の祝日事情を知る機会も殆どないことから、自身が如何に得しているかを自覚できないのは無理もありません。

そこで、今回は日本の皆様が祝日に関して意外と幸運であることを再認識してもらうためにスイスの祝日事情についてご紹介いたします。

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ドイツの教養を支えるレクラム文庫

 

黄色、オレンジ、赤、緑など一色使いの小さな文庫本。ドイツの伝統的な文庫本といえばレクラム出版社(Reclam Verlag)から出版されているレクラム文庫(Universal Bibliothek)

世界の古典文学作品を中心とし、ドイツの教養、教育、学問を支え、培ってきたといっても過言ではありません。

また、レクラム文庫は、日本の岩波書店が岩波文庫を刊行するにあたってモデルにしたとも云われており、廉価で持ち運び安い書籍を、より多くの人々に提供するというモットーの元に発展を遂げてきました。

 

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言語圏の境目に建つ都市フリブール

 

過去の記事でも申し上げたことがあるので既にご存知だと思いますが、スイスにはそれぞれの言語圏を有する4つの公用語があります。

そのため、本ブログでは特定の言語圏をえこひいきせず、なるべく全ての言語圏を採り上げるようにしています。

特に名所に関してはドイツ語圏だけでなく、フランス語圏やイタリア語圏の都市もご紹介していますし、他の記事においてもそういったバランスを考慮し、可能な限り4つの言語圏に言及してきました。

しかし、言語とはそれを話す人間によって形を変え、空間的にも移動することから、言語圏もまた一定不変なものではありません。

現にスイスでは言語圏が時間の経過とともに複雑に入り乱れて、今となってはそれらの境界線がはっきりしない地域が多々あります。

しかも、その中にはなんとひとつの市町村で2つの異なる言語を使用するという、日本人からしてみればおそらく想像もできない珍しいケースまで存在します。

したがって、今回はそんな言語圏の境目に建っている代表例としてフリブール州(Canton de FribourgまたはKanton Freiburg)の州都フリブールをご紹介させていただきます。

 

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ドイツのミネラルウォーター

 

ドイツを初めて訪れた日本人は、ドイツのレストランでは飲料水がタダでないこと、そしてミネラルウォーターにシュワシュワの炭酸が入っていることに驚かれることでしょう。

ドイツに限らず、他のヨーロッパの国々でもそうなのですが、ミネラルウォーターと言えば、炭酸入りが一般的です。

炭酸入りミネラルウォーターが苦手な人は、レストランやスーパーでStilles Wasser(無炭酸水ミネラルウォーター)」を選びます。

炭酸入りミネラルウォーターは、源泉水にわざわざ炭酸を入れている訳ですが、ドイツ人は一体なぜ炭酸入りミネラルウォーターを好んで飲むのでしょうか?

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ドイツでシエスタ?猛暑を乗り切る提案

 

今年も35度以上の猛暑日が連日続き「災害級の暑さ」とまで言われていますが、これは日本のみならず、世界中が熱波に苦しんでおり、7月初旬には地球の平均気温が過去12万5千年間で最も高い気温を記録したとのニュースもあるほどです。

北米やヨーロッパ各地でも高温による山火事の被害は大きく、WMO(世界気象機関)も「命にかかわる暑さ」と、死亡リスクの高まりに警鐘を鳴らしています。ドイツでも7月半ばは猛暑日が続き、年々厳しくなる熱波への対策を取るべく新たな議論がされています。

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アルプスの少女ハイジも愛したラクレット

 

スイス人として日本で生活しているとあの人気アニメ「アルプスの少女ハイジ」を話題にされることが非常に多く、中でもアルムおんじが暖炉でチーズを溶かしてハイジに「ラクレット」(Raclette)を振る舞うシーンには大半の方が衝撃を受けたと度々お聞きします。その影響もあって、「私もラクレットを食べてみたい」と思っただけでなく、わざわざスイスを訪れてその目標を達成された人までいるそうです。

とはいえ、近頃は日本国内でラクレットを提供するお店が増えていることもあって、遠く離れた現地に足を運ばなくてもハイジと同じ体験ができるようになっています。

しかし、「ラクレット」の名前が付いているからといってそれが必ずしも本場スイスのラクレットと同じ料理であるとは限りません

というのも、私自身も日本で何度かラクレットをいただいたことがありますが、アレンジレシピなどオリジナルとは少し違うものが出てきたケースが多かったので、少し残念な気持ちになったのが正直なところです。

また、ラクレットは誰でも容易に作れるチーズ料理と思われがちですが、食材、調理法、食べ方などが形式化された独自の食文化が存在するため、それらをある程度遵守しないとラクレットではなく、ただの焼きチーズになってしまいます。

そこで、スイス人としては日本の皆様にせめて正統派を知った上でアレンジバージョンを楽しんでいただきたいと強く思っておりますので、今回はアルプスの少女ハイジも愛したラクレットについて色々とお話しさせていただきます。

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ウィーン住居事情

 

こんにちは、4月から『オーストリア留学日記』を担当して参りましたmona_tです。

最終回の今回は『ウィーン住居事情』と題し、私自身のウィーンでの家探し体験から、家選びの基準、そして日本とはやっぱりちょっと違う、オーストリアならではの家あるあるまで、盛りだくさんでお届けします。

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